NTTドコモ、au、ソフトバンク(これ以降この稿では「3大キャリア」と呼びます)+Y!Mobile+Willcomしかスマホが購入できなかった時代ではなくなりました。
SIMロックフリースマホ(いわゆるSIMフリースマホ、と呼ばれているもの)が登場して、また、格安SIMがいろいろ登場して、スマホ利用者が自分の利用の仕方に合わせた様々な料金プランを選択できるようになりました。ありがたいことです。
まあでも、格安SIMが安くて便利で、これまで3大キャリアとの契約で使っていた機能を継続して使えるのかというと、必ずしもそうではないわけでして。
判断した結果「それはなくても問題ない」という人であれば切り替えればいいのですが、そうでない方は対策などを考えてから切り替えた方がいいですよ、というお話です。
以下、主だったものを紹介します。「これもあるよ!」というのがありましたら教えてくださいね。追記しますんで。
~ 目次 ~
テザリングが使えなくなる機種・サービスがある
スマホをのデータ通信を使って、パソコンやWi-Fi専用iPadからインターネット接続できるようにする仕組みが「テザリング」です。
これが、特定の格安SIMと特定のスマホでは使えなくなるケースがあるようです。
移行したい格安SIMの会社に、機種名を示して問い合わせをしておくと良いでしょう。
Webサイトに対応機種を明示してくれている会社もあります。
▼たとえばIIJmioは、テザリングに関する情報をこのように報告してくれています。
てくろぐ: IIJmio高速モバイル/D iOS別 iPhone・iPad動作状況
キャリアメールが使えなくなる
スマホで電子メールを使う人はまだまだたくさんいると思います。そのなかの「キャリアメール」が使用できなくなります。
キャリアメールというのは3大キャリアでいえば
○○@docomo.ne.jp
○○@softbank.ne.jp
○○@ezweb.ne.jp
といったアドレスの事です。
これらが使えなくなります。3キャリア以外にもY!モバイルやウィルコムなどもありますね。
これらのキャリアが発行しているメールアドレスのことを俗に「キャリアメール」と言います。
これが、格安SIMに切り替えたときから使えなくなります。
知人との連絡などはGmailやOutlook.com、Yahoo!メールなどのフリーメールを使うなどの代替案があります。
Gmailなどのメールを日常の連絡用にしておけば、これからいくらスマホの機種変更やキャリアの変更をしても、メールアドレスが変わらないというメリットもありますよね。Gmailというサービスがなくならない限りは、ですが。
ただし、キャリアメールが必要なサービスが世の中にあるのもまた事実です。
ゆうちょ銀行では2014年の1月から、インターネットでの「合言葉」の初期化に必要なセキュリティキーの送信先を、キャリアメールに限定しています。
お知らせ インターネットでの合言葉の初期化に必要なセキュリティキーの送信先を携帯電話・スマートフォンのメールアドレスに限定します|ゆうちょダイレクト
このように、キャリアメールのアドレスを「信頼できるアドレス」として活用しているインターネットサービスもあるので、ご自分が利用しているサービスがキャリアメール以外のアドレスを利用可能かどうか、確認しておくと良いでしょう。
自分のキャリアメールの受信記録を見れば、どのサービスで使っているかはだいたい分かります。面倒ですが一件一件当たっていくと良いでしょう。
どちらにしてもメールアドレスを登録しているサービスでキャリアメールを登録している場合、アドレス変更の手続きは必要になりますね。
家族間通話などのサービスが受けられなくなる
2015年3月17日追記:IIJmioが家族割のサービスを始めました。
IIJmioのサービスページ
をご覧ください。
以上2015年3月17日追記
自分も家族も同じキャリアで家族登録をしておけば、家族間の通話で割引などの恩恵を受けられるサービスがあります。
これが使えなくなります。
050で始まるIP電話の、同じ会社の契約を家族でしておけば、その会社同士の通話が無料になるものがとても多いのでこれは解決できます(興味のあるIP電話の会社へ確認してみてください)。
▼050Plusという会社のサービスでは、050Plus同士の会話は無料になります。
スマートフォン向け通話アプリ・IP電話なら【公式】050 plus/ NTTコム
▼IIJmioではこのあたりの解説を、IIJのエンジニアによる公式ブログで説明してくれています。
てくろぐ: 「通話料が安くなるアプリ」はIIJmioで利用できる?(050 plus, 楽天でんわ, LINE電話)
また、LINEやFacebookで音声通話をするなどの代替案もあります。
これらは家族のITスキルや、家族と同居しているか否かによって導入の手間が変わります。きっと家族の分の設定をしてあげなければいけないでしょうから。
電話のかけ放題プランがなくなる
最近の3大キャリアの契約は、月あたり2700円で電話かけ放題の料金プランを必須にしています。見事な横並びですよ。
まあこれは、電話をしっかりかける人には有効なプランなのです。
楽天でんわや、050で始まるIP電話の機能を利用して電話代を抑えることが対策になります。
抑えた電話代にデータ通信の費用などを合わせて比較して通信料が安くなるなら、切り替えが良いという判断ができますね。
▼たとえば050Plusという会社では、050Plusのアプリからふつうの090、080、070の携帯番号へ電話をかける際には1分あたり17.28円かかると説明されています(2014年11月1日現在)。
3大キャリアのかけ放題額2700円をこの数字で割ってみると、2700÷17.28=156.25なので、1分の電話を157回行うと、050Plusでも通話料金が2700円を超えることが分かります。
これらの通話料やデータ通信量などを総合して計算して安くなるかどうか見極めないといけませんね。
スマートフォン向け通話アプリ・IP電話なら【公式】050 plus/ NTTコム
おサイフケータイのサービスではiDが使えなくなる
これは主にNTTドコモを使っているユーザーに影響するでしょうか。
モバイルSuicaや楽天Edyは使えるけれどiDは使えない、ということのようです。
「ようです」と書いたのは私が試せていないからで、「おサイフケータイ MVNO」などで検索すると、モバイルSuicaや楽天Edyは利用できたという方の事例のブログがみつかります。そこまでです。
格安SIMのIIJmioでは
音声通話機能付きSIMカードでおサイフケータイ(Edy、Suicaなど)は使えますか?
このようなQ&Aページを出しており、端末やアプリの提供元で確認してください、という説明にとどまっています。
楽天Edyに関しても探した限りでは公式のページに具体的な記述が見つかりませんでした。
ですので、おサイフケータイが使える・使えないということについては慎重に考えて決断してください。自己責任でお願いできればと思います。
iDはドコモのSPモードの機能を使っているから、格安SIMでは無理なんだそうです。
そもそもクレジットカードの機能を置き換えたものなので、使えないものはそれまでの状況に戻せばいいのですが、おサイフケータイの利便性を損ねてしまいます。
それが料金の圧縮で許せるか判断が必要です。
クレジットカードでiDが使えるものがあります。以下のサイトなどで確認するといいかもしれません。
iDと相性抜群のクレジットカード | クレジットカードの達人
アプリ利用し放題プランが使えなくなる
auのスマートパスやドコモのスゴ得コンテンツ、App Passのような、格安の定額料金でアプリをたくさん使えるサービスが利用できなくなります。
※参考
VoLTE対応の検証結果を公開、初心者向けにSIMカードの基礎講座も|モバイルビジネス通信
ソースネクスト社のサービスなどを利用することになります。今の所Android限定のようです。
超ホーダイ|ソースネクスト総合サイト
このようなサービスですね。
こういうサービスに求めるアプリがあれば、アプリの費用は抑えられます。
今後3大キャリアのサービス変更で使えるようになることが無いとは言い切れません。2014年11月時点のお話としてご理解ください。
その他キャリア独自のサービスは、使えるものと使えないものと。
たとえばですが、NTTドコモのアニメ視聴サービス「dアニメストア」は、様々なキャリアで利用できるようになっています。dアニメを使いたい人は、すでにキャリアに縛られる必要はありません。
お知らせ dアニメストアのキャリアフリー対応について|ドコモdアニメストア
上記iDや、このサービスのように、また、音声通話関連のサービスの中でも、留守番電話やキャッチホンが使えるかどうか。自分の使いたい機能ごとに確認が必要になります。
そのサービスを提供しているキャリアに問い合わせるのが一番確実ですね。
キャリアの年齢認証が出来ないことがある
2015/2/14追記のトピックです。
LINE@というサービスがあり、これまで個人名義で持っていたユーザーが、たとえば自分の店舗やブログ用のアカウントを別に発行して、「法人」的に発言することが、発言数が有限ながら無料で出来るようになりました。
しかし、このLINE@、年齢制限があり、その年齢の認証が2015年2月14日時点では携帯キャリアの認証システムしか認めておりません。したがって格安SIMでは登録出来ない、という事案が出ているようです。
年齢登録については各社別の方法を採用できる可能性があるのでこれがすべてではありませんが、現時点ではできない、ということだけお伝えしておきます。
(画像を掲載したいので、どなたか格安SIMで年齢認証できないキャプチャーを無償でいただける方がいらっしゃいましたらご連絡ください!)
まとめ 余計な残念感を感じないために
格安SIMにすることで価格面での大きなメリットと、サービス面でのデメリットが発生します。それらを比較できるようになれば、格安SIMの導入メリットはとても大きくなりますし、導入後の失敗も減ります。
ご自分のスマホでサービスをどのように利用しているか。それを判断しながら格安SIMの導入を考えてみてください。
併せて読んでね!
格安SIMに関する基本の説明をした記事も書いております。こちらも読んでみてください!