おはようございます。自宅のメインマシンはOS X Moutain Lion、会社のメインマシンや自宅のサブマシンはWindows 7を使っている@odaijiです。
アップデートから取り残されたMacの行く末、Appleの責任を問う声も
これはITメディア エンタープライズに出ていた記事です。
Mountain LionやLion用のセキュリティパッチは出るけれど、今後Snow Leopardの修正パッチは出ないと思った方がいい、と専門家が指摘しているというものがこのニュースの趣旨だと思います。
嘗て私の過去のブログエントリーで
Androidスマホは定期的な買い替えこそがセキュリティ対策だ。
というものを書きました。何が言いたかったかというと、
Androidスマートフォンはセキュリティアップデートをそれほどやってくれないから、「セキュアなOSを使う」という視点でスマートフォンを使う場合、結果的には最新製品に買い替え続けることが必要だ、ということだった訳です。
振り返って、現行から見て2世代前のiPhone3GSまでiOS5が載るアップルを考えると、2012年の9月にiPhone5+iOS6が発表になるとして、iPhone3GSが発売した2009年のスマートフォンは3年に渡ってセキュリティアップデートがされ続けた、ということが言えます。
スマホにおけるアップルの責任感、大したものですね。先進性を追い求めるジャンルにおけるメーカーのやらねばならないことを理解している、と感じます。ハードウェアとソフトウェアを一括して管理している強みも出ていると感じています。
さて。
ここで冒頭のニュースに立ち返ってみてみましょう。今のままだとアップルはSnow Leopard以前のOSに関するセキュリティアップデートをしなくなる可能性が非常に高い、という記事です。推測に過ぎない記事ではありますが、過去のアップルの対応から、これが同様であると過程しましょう。
これに比べ、2001年に発売したOSのサポートを未だに続け、しかも2014年までセキュリティアップデートを出し続けると公言している会社・OSがあります。マイクロソフト社のWindows XPです。
Windows(R) XP Home Editionのサポート提供期間を2014年4月まで延長
こちらのリンクをご覧下さい。ビジネスユースであるWindowsXP Professionalエディションだけでなく、WindowsXP ホームエディションまで2014年までサポートを続けると公式にリリースしたものです。
2014年まで10年以上に渡って一つのOSのサポートを続ける・・・。企業利用者にとってみればハードウェアさえ故障しなければ一台のマシンを使い続けられます。また、ハードウェアが変わってもOSが変わらないことから、ソフトウェアの適合などにかけるコストを削減できる大きなメリットがあります。
確かにWindowsXPは古いOSです。現在のOSからしてユーザーが得られる経験は先進的ではありませんし、OSの機能としてDVDにデータを書き込むことすら出来ず、OS単体の機能として現代にマッチしているかといえばそうは言い切れません。
でもビジネスでパソコンを、OSを使うという面において、一つのOSを使い続けることが出来るような重厚なサポートサービスを組んでいるマイクロソフトは、私としては立派の一言しか言えません。マイクロソフト、立派すぎます。
昔はセキュリティが脆弱だ、攻撃を受けられやすい、サーバーOSのライバルLinuxに比べてアップデートが遅い、クライアントOSのライバルMac OSに比べて先進的ではない言われ続けてきたけれど、それらの問題に対して出来る限り回答を示しています。いつの間にかWindowsUpdateは「月例」になりました。人気OSの宿命で脆弱製が発見され続ける現状、10年前に発売されたOSのサポートも毎月利用者に無償提供してくれています。今これだけの姿勢を示している会社がどれだけあるか、逆に考えてみるといいと思うのです。
繰り返しになりますが、僕の自宅のメインマシンはOS X Mountain Lionが入っています。パッド部分を使ったジェスチャーに先進性を感じ、通知センターの表示にOSとSNSが一体化されたメリットを享受して便利に使っています。
しかし仕事で使う以上、情報システム管理社が安心して管理でき、決してITに詳しくない人がOSを更新することによるデメリットを出来るだけ受けないように、という選択肢を与えてくれているマイクロソフトの姿勢について、ビジネスでパソコンを使う人々がWindowsを使ってくれることへの感謝があるのではないか、そう感じます。
最新OSしか事実上相手にしないAndroid(会社としてはGoogle社ですが、比較対象としての分かり易さから象徴的なOSであるAndroidの名称を使います)は、ユーザーが頑張ってついてくるか、セキュリティなどに無頓着な人に引き続き古いOSを使わせるという、昔のユーザーを切り捨てる姿勢です。
数年のOSに対してセキュリティアップデートはするけれど、製品選定の基準が常に「新しい経験を提供する」というポリシーを持っているアップルは、常に時代の先端を知りたい情報感度の高いユーザーや、新しい表現方法を使って先進的なサービスを提供したいエンターテイメント関係者には有効な姿勢ながら、それが必要ない利用者に取っては、やはり「切り捨て」の姿勢が見え隠れします。
10年以上前に発売したOSをいまだにサポートし続けるマイクロソフトは、最新のユーザー経験を提供するタイミングは他社に対して遅れがちなのですが、そのかわり一度獲得したユーザーをとても大切にします。現在最新のOS・Windows7でさえ、プロフェッショナルエディションでは、WiondowsXPモードという、XPでしか動作しないソフトウェアを高確率で稼働保証できる仕組みを取り込みました。
発売したOSの尻拭いをどれだけ行うか。この一点に置いてマイクロソフトは他社を大きく引き離し、結果としてこれがビジネスにおけるWindows利用がかなりの高確率で最も有力な選択肢たらしめています。
Androidやアップルがもし本格的にビジネスの世界に進出したいと考えているのでしたら、様々な形で叩かれ続け、それを少しずつでも対応し続けてくれているマイクロソフトの姿勢を見習わなければ決して敵うわけがない。そう確信しています。
マイクロソフトはこの秋、Windows8を発売します。Windowsサーバーも最新版の2012が出ますし、開発環境であるVisual StudioやビジネスソフトであるOfficeも新しいバージョンを発表・発売し、システムの刷新をユーザーに促しています。しかしその後もWindowsXPのサポートは続きます。それだけの人員を割いてくれていることに、我々ビジネスユーザーは本来感謝しなければならないんですよね。