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「リッピング禁止法案」に腰を抜かす。

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昨日の衆議院本会議で、違法ダウンロードの刑罰化が認められた。この法案ですら議論もせずに拙速すぎる決定という批判があるものなのであるが、ここに付随して決められた罰則案に、正直腰を抜かしそうになった。

リッピング禁止(私的利用も含む)

とても丸めて言えば、借りてきたDVDやCDを、自宅のPCに取り込んだら罪ですよ。という罰則だ。借りてきたものだけではない。自分で買ったものですら、形式変換などしてパソコンに取り込むと罪になってしまうというもの。これ、多くのネットユーザーがずっと指摘していることなのだが「誰得」な法案なのだろう。

6月16日追記 コピーコントロールを行っていないCDはリッピング禁止の対象にはならない、かもしれない情報も出ている。

iPhoneに取り込みたかったら正規のダウンロード販売のモノしか認めない。そんなルールを作ったところで音楽/映像コンテンツの販売が復調するとはとても思えないのだ。人々は買うほどのコンテンツだと思わなければレンタルで済ますし、それを見込んでのレンタル業者への販売数が確保されているのではないかと思われるのだが、こういった構造も全てぶち壊す気でいる。

CDが売れなくなったと言われて久しい。業界団体は違法ダウンロードのせいだと主張しているが、魅力あるコンテンツが減ってきている事実に目をつぶっているのは誰もが知っている。インターネット上で行われたアンケートでもそのような結果が出ているのを目にしたことがある。
法で縛るよりも業界を良くし、より魅力的なコンテンツをいかにそろえるかということに腐心しなくてはならないのに、権利団体は政治家たちはどちらの方面を見て物事を決めているのか。

このまま行くとどうなるか、想像してみた。
1)レンタルショップの相次ぐ閉鎖(借りるうまみがなくなることから利用者が減る)
2)映像・音楽コンテンツの販売が落ち込む(何が罪になるか分からないものに近づかない)
3)PCや音楽プレイヤーに取り込むソフトウェアを開発している会社の減収、コスト増
(アップルやソニーなど、携帯音楽プレイヤーに取り込むソフトは軒並み仕様変更を求められる。WindowsMediaを出しているマイクロソフトも同様だろう)
まあこんな風になれば、音楽や映像に愛想をつかす人が増えてもおかしくない。

衆議院は通過してしまったのだが、これから抑止することは出来るのか?立法の世界はよく分からないが、日本が明らかに悪くなる法案が碌に審議もされずに通過している現状を見ると政治家に良心を期待することもできず、あきらめの境地に向かってしまいそうだ。
政治家は消費税と原発だけが政治かと思っているようだ。プライオリティの差こそあれ、法案を決めるということに手抜きがあってはならないし、その手抜きで国民から愛想をつかされてしまう。いと悲しいことではないか。どこかに良き心を持つ人々はいないものか。

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