@odaiji さん曰く、。
僕が別途やってるブログで「将棋ブ!」というのがあるんですけれどね。そちらに書いたこの記事。
20年以上ぶりに将棋会館道場で棋力認定、三段でした | 将棋ブ!
これを書いていて思ったのは、勝負事の、オンラインでなく実際に対峙して競う趣味を一つもっていると心の鍛錬に役立つなと思ったことです。純粋な競技の力をつけるのはオンラインで十分なのですが、礼儀作法、人の表情や仕草を観察すること、それらを通して自分が決断・選択することを鍛えることができるようになると痛感しました。この20年くらいはリアルで駒を持って将棋することがほとんど無く、指してもオンラインばかりだったのですが、久しぶりに人と相対して指して、その良さを再確認したということです。
ゲームっていうのはいろいろです。将棋、囲碁、オセロ、麻雀、ポーカー、人狼、人生ゲーム・・・。自分と相手(一人でも複数でも)がそれぞれ思考を巡らせ、その思考を競い合ったり運の要素があったりする、そんなゲームですね。
~ 目次 ~
ゲームで勝負するような趣味を持つ効果
こんなことがあると思うんですよ。
- 人の表情や仕草から感情を読み取る訓練ができる
- 短い時間に起承転結・序破急その他いろいろな展開を体感できる
- 悪いときの我慢を覚えることができる
- 良いときの我慢を覚えることができる
- その他我慢を覚える
他にもいろいろありますけれど。すこし細かく書いてみたいと思います。
人の表情や仕草から感情を読み取る訓練ができる
スポーツよりは、じっと相手を観察できる余裕があるんじゃないかと思うんですよ。ゲームって。もちろんスポーツをやっている方はそれでも全然問題ないと思います。
僕は将棋をやっているのですが、将棋を通して相手と「対話」できる部分が、アマチュアレベルでも少なからずあります。自信があるとき、無いとき。決断したとき、迷ってるとき。こういうことが見えてくるものなんですよね。人によっては貧乏揺すりとかぼやきでわかることもあります。
リアルに対戦している相手を観察できるのが、オンラインゲームなどでは得られない素晴らしいところです。今一緒にいる人がどのように感じているかを少しずつ理解できるようになると、人間のつきあい方には深みが出ます。
思ったこと、感じたことをすべて言い合わないと伝わらない間柄よりも、確実に数段階深いつきあいになるでしょう。
短い時間に起承転結・序破急その他いろいろな展開を体感できる
どんなゲームにせよ、1回1回の勝負は短時間で終わります。アマチュアなら将棋や囲碁でも、長くても1時間あれば1回の勝負は終わるでしょう。もっと長く遊ぶこともできますけどね。
その中で自分で意識をもって試せば、序盤はじっくりと取り組んでみようとか、序盤から少し乱戦模様にしてみようとか、いろいろ展開を試すことができます。そうやって試していく中で、自分に向いている展開や考え方がわかってくると思います。
いちいち人生で試してたら失敗したときのダメージも大きいわけで、小さな勝負事をシミュレーションの場として捉えてみるのも面白いものですよ。
悪いときの我慢を覚えることができる
特に勝負事のゲームにこれは当てはまるんですけれど、自分の状態や形勢が悪いときに
・粘る
・逆転の糸口をつかむ
・逆転する
といったプロセスを体感できるのはとても大きいものです。将棋・囲碁・オセロのような対戦するゲームの場合、形勢が悪いときに勝つためには
・自分は悪い手を選択しない
・場面を複雑化させて相手の選択肢を増やす
・相手に間違えさせる
というプロセスがどうしても大切になります。要は相手が間違えるまでを、どうやって辛抱して待つのかといったプロセスを学べます。人と競争しない人生の勝負の場合には「相手が間違える」ことは無いかもしれませんが「浮上のチャンスをつかむ」などに置き換えれば同じことがいえます。応用が利くんですよね。
この考え方が腑に落ちるようになると、調子が悪い、ついていないといった時に暴発することが減ります。人間だからゼロにはならないですが(笑)
良いときの我慢を覚えることができる
個人的にはこれが一番大きなことかと思っています。自分の形勢が良くなってしまうと、とたんに安心して考え方が乱暴になってしまうことがあります。
・ギャンブルで勝ったときに、ついついお金をいつもより無駄に使ってしまう
・ボーナスが入ったときに、普段なら不要だからと買わない物を「まあいいや」と買ってしまう
・立場が良くなったため今まで対等だった相手に対して尊大な態度をとってしまう
こんなの、全部同じことです。
有利な状態から勝つための勝ち方にもいろいろあります。
・踏み込み、一歩間違えば逆転を許すリスクもあるが最短距離で勝つ勝ち方
・逆転の可能性を許さない、多少道のりが長くなっても逆転の目を残さない確実な勝ち方
などいろいろあり、さらにこれらも、全部同じパターンでないというケースもあると思います。同じ人でも、この場面なら最短距離の勝ち方、この場面なら確実な勝ち方という取捨選択ができるようになり、この考え方がいろいろな人生の局面で役に立つのではないかなと思ったり。
その他、我慢を覚える
冒頭に紹介した記事20年以上ぶりに将棋会館道場で棋力認定、三段でした | 将棋ブ!で僕は10局、将棋を指しました。運良く8勝2敗で終えることができたのですが、その2敗は全く同じパターンだったんです。
10歳くらいの、段位は自分より下の子供さんに対して2連敗。
それも、両方とも落ち着きのない子供の態度にいらいらして、攻めなくていいところで攻め、不用意に反撃を許してはいけないところで許し、最後にぷっつり切れての負けです。もちろん僕が弱いから負けた訳ですが、僕の弱さの一部は、こうした心の弱さにもありました。
あと、終わったあとに感想などを語り合うんですけれど、ちびっ子は遠慮会釈がないんですよ。アレがだめ、ここが良くないっていうのが厳しいんです。当たってますしね・・・。それが悔しいので子供相手には勝たなければならないと思いました!
どうも僕は「場が乱される」ことが大嫌いなんですね(笑)
相手の態度など意に介せず、我慢するなり受け流すことなりを覚えないともっと強くなれないことがわかりましたよ。
このような経験ができれば他の趣味でもよい
もちろん、このような経験・考え方ができれば他の趣味でも全然問題ありません。
意識さえすれば、たとえ対人でなくても競馬やパチンコ・パチスロといったギャンブルでさえこのような心の鍛錬はできるものです。あ、ギャンブルだからいろんな意味で鍛錬の場としてはもってこいか・・・。
ラップ対決とかもそうかもしれませんし、芸術作品の創造で自らと向き合ってこのような考え方をする人もいるのかもしれません。何でもOKです。
特に「良いときに不用意に伸びすぎないよう我慢する」というのは、勝ちきるためにはとても大切な考え方なんじゃないかなと思うんですよ。最短距離で勝つのと、何も考えずイケイケドンドンなのは違いますからね。