東京都の世田谷区で消耗していない@odaiji さん曰く、。
2016年8月5日に東京・渋谷で開催された「地域ブロガーの会 【2016Summer】」に参加してきました。登壇者の地元に対する愛情、メディア運営に対する情熱、それまでブロガーとして培ってきた知見を発揮する場として自らの立ち位置を見つけ出しているなあという強烈な印象を残してくれました。
そもそもいま個人ブロガーが運営する地域メディアが熱い!一挙ご紹介 #地域ブログ って記事を書いていて地域ブログは割と注目していたんですけれど、こうして一般参加者を募ってイベントするように盛り上がりを見せているんだなーというのは外から見てて嬉しくもあり、良い活動が出来ていて素晴らしいなあと思うこともあり。
こういうテーマに絞った発表・懇親イベントも良いものですね。
地域ブロガーの会は2部構成。前半で4つの地域メディアの運営者に関するプレゼンテーション、後半は懇親会や諸連絡。この記事ではプレゼンテーションに的を絞ってお届けします。
~ 目次 ~
メインブログのエッセンスを地域メディアに注ぎ込んだ「とよすと」
ブログめ~んずスタジオを運営するAsuka(@asuka_xp)さんが運営するのがとよすと。東京都江東区の豊洲を取り扱っている地域メディアです。
とよすと - 豊洲で遊ぶ・働く・暮らすすべて人へ役立つ情報をお届け!
ブロガーとしても結果を残しているAsukaさんの重要な運営ポイントは、
自分で見てきた、聞いてきた、撮ってきた、といった生の情報をネットに置くことが大切
ということ。差別化を図りたいということのほかに「生」の情報であることに運営のプライドを持っていました。
個人ブログと共通の情報も
め~んずスタジオの方でも扱っていて、とよすとでも読まれるコンテンツとしては
- 電源カフェ
- コインロッカー
- 手ぶらバーベキュー
- 交通情報
- イベント情報
があるそうです。ライブハウスのある豊洲ではコインロッカーの情報を調べる人が多いんだそうで。
区の広報などを情報源にしつつも自らの足でネタを広い、メインブログで培った執筆力を活かして運用しているとよすと。地域関連のイベントからも呼ばれるようになっている理由が分かる気がしてきました。
高レベルのメディア運営ラボにもなっている「はまこれ横浜」
あかめ女子のwebメモを運営するあかめ(@mk_mizuho)さんが運営するサイト「はまこれ横浜」は既に高いPVを誇ってる地域サイトです。
「何かに特化したサイト」を運営したかったというあかめさんが選んだのは「横浜」。合理的に検証を行うことを大切にし、記事作成やサイト運営を行っています。
「ターゲットの明確化とフェーズを意識したコンテンツ作りを意識しました」とあかめさんが語っていたのが印象に残っています。
軸を決めたり、ここから記事を量産しよう!と決めたりと、フェーズに応じた行動は計画的です。
科学的に運営?
エリアや性別・年齢を絞り込んだり、意図したターゲットに情報が届いているかを、Google Analyticsを活用してPDCAサイクルを回している姿が想像できました。
自由に書きたいことを書いている(かもしれない)メインブログに比べて、かなり科学的にブログ運営を意識しているようです。はまこれ横浜を「サイト運営」と言い切るあかめさんがこの運営で得た知見を後にどのように生かしていくかが楽しみです。
破天荒!な「勝手につくば大使」
地域ブロガーの会の創業メンバーではなさそうですが、勢いのあるおもしろい地域ブログが紹介されました。「勝手につくば大使」のコムさんです。パートナーと二人で運営しているんだそうです。
筑波大学へ進学した大学生が「筑波愛」に目覚め、「一日一善」と毎日ブログを更新しています。あかめさんのような科学的な運営、Asukaさんのようなブログ技術に裏付けられた運営という感覚は見られませんでしたが、ブログへ対する熱量は二人を凌駕しているんじゃないのか?そんな熱さを感じました。
動く!動く!
興味のある店はとにかく入って取材させてもらう。
取材のあと感触が良ければ「『勝手につくば大使』を見た!」と言うことで割り引きサービスをして貰うよう交渉する。
筑波を広めるためならドイツのベルリンにも自費で遠征する。
学生であるというメリットも最大限に活かし、バツグンの活動量を誇っています。
のびのびと地元愛を語っているプレゼンテーションも印象的でした。
運営で感じたことを発表し尽くした「三郷ぐらし」
ゴマダレ - 地域ブログ編集長の雑多なブログなどを運営するサムリ(@samuri)さんが運営しているのが埼玉県・三郷市の地域メディア「三郷ぐらし」。本イベントのあった日でちょうど解説から1周年。おめでとうございます!
TTP
ブログを書く人の間では通じる3文字略語、TTP。これは「徹底的にパクる」の略です。パクるといっても不正に何かを利用するのではなく、先達の良い所をしっかり真似するという意味ですね。
三郷ぐらしの先生は、地域メディアの先駆けとなっている「枚方つーしん」だそうです。大阪府北河内地域にある枚方市の地元情報をつぶさに紹介する「ひらつー」はパイオニアと言っても過言ではないでしょう。僕も知らなかったのですが、枚方つーしん以降、新潟・神戸・浜松などで立ち上がってきた地域メディアも「ひらつー」を意識したものなんじゃないだろうかとサムリさんが語ります。
真似したのは本当に色々。ブログをライブドアブログにしたこと、お店が閉店した記事を短くても良いから書くこと、更地になったこと。
個人的には疑問であっても真似してみたら読まれた、という経験がその後の三郷ぐらしの更新基準に大きな影響があったものと思われます。
ひとつの場所を定点観測的に見たとしても
- 閉店
- 更地
- 開店
- 来店(実際に訪れて取材などする)
で4回はブログのネタになりますね。こんなTipsを含め、ブログ運営術のかなり細かい所まで突っ込んでくれました。
行政は「結果報告」は上手いが「予告」が下手
もっといろいろ運営術を語っていただきましたが、それは時間とお金を払って参加した参加者のメリットということで割愛しておきましょう。
ただ、最後のまとめでサムリさんが語ったことがとても印象的でした。
「行政って、広報が下手だと常々思っています。地元のイベントを開催したことは大々的に宣伝できるけれど「やりますよ」と言うことを大きく宣伝しないです。広報誌などに結果が出ますが「そんなの知らなかった」「知ってたら行ってたのに」「終わったことを宣伝してどうするんだ」という声を聞くんです。
「これからやる!」ということを、地域ブログが担っていけるのではないかと思っています」
真正面から取り組んでいるからこそ気づき、語れる言葉だなあと感心しました。自分がいつか行政の人と話すときには、このことを知った風な顔して語ってやろうと思います。
運営のスタイルはいろいろ。でも地域に対する愛は共通
4者4様。地域ブログと一口に言っても運営方法は様々あるのだなあと思わされた4人のプレゼンテーションでした。この4人を選んだセンスはたいしたもんじゃないですか、主催者さん。
しかし共通しているのは、その地域への愛情・愛着と、その地域の良さをどうにかして人に伝えたいという熱量でした。
Asukaさんはメインブログの運営で得た嗅覚やネタの取り方、足での稼ぎ方をフル稼働します。
あかめさんはアクセス解析をがっつりと行い、届けたい人に届けたい情報が行き渡っているか、検証します。
コムさんは当たって砕けろ!でお店を回り、自サイトを積極的に売り込むことでサイトとお店とお客さんのWin-Win-Winを構築します。
サムリさんは行政や商工会、SNSの広告も活用しつつメディアの浸透を計ります。
スタイルは違えど、地域への愛と運営メディアへの愛がひしひしと伝わる良いイベントでした。