AD・PR 運営論

自分のブログの【PR】【AD】表記について考え方を整理した

2016/08/14

本記事には広告のリンクが含まれます。ご了承ください

@odaiji さん曰く、。

ブログを始めてしばらくたって、企業から商品やサービスを提供していただくことがあったり、執筆料を頂いて記事広告として書いたりするケースも出てきたため、僕がどういうスタンスで【PR】【AD】をつけているかを明確にしました。

マーケティング用語としてPR・ADって使われていると思いますけど、それを受けたブロガー側がどう解釈し、記事中に表記すればよいかというのはあまり語られていませんよね。なので、これから企業さんの依頼で記事を書くようなことが出てくる人の参考になれば幸いです。

この整理ができる前に書いている、結果的にPRが妥当だと思われる記事について修正が間に合っていない可能性があります。少なくとも今年に入ってからは問題ないと思いますが、過去記事に関してこの記事と矛盾がある場合、それは「修正がおいついていないから」であります。ご容赦を。

PRとADは同じじゃない

え?PRもADも広告じゃないの?どう違うの?

って思うと思うんですよ。僕なりに学んで解釈したところをまずまとめておきたいと思います。専門家じゃないので明らかに違ったところは優しくご指摘いただけると幸いです。

PRは「Public Relations」=広報

YUKA150701598457_TP_V

企業におけるPublic Relationsというのはつまり、サービスなどを提供している企業が何らかの形を用いて消費者などと信頼関係を築く、という目的のもとに行われるコミュニケーションです。

企業が消費者とコミュニケーションをとる手段として僕らブロガーの拡散力がお手伝いできるケースがあれば、そういった記事を【PR】とタイトルに入れ、ブログ記事のできるだけ冒頭に
「○○をご提供いただき」
「○○にお招きされ」
といった、その企業とブロガーとしての僕の関係を明確にしておくことで、

自分が買って試している

などとは状況が異なっていることを明確にしています。

PR記事の特徴

ただし、このケースの場合、企業は僕らブロガーに「こういう特徴は積極的に伝えてほしいです」というお願いはいただくものの、ブロガーがそのすべてをこなさなければならないという義務はないという理解でいます。招待されるブロガーさんって大体が

  • 商品・サービスの良いところを見つける能力に長けている
  • 商品・サービスの良くないところを見つけつつも非難でなく改善点として建設的に表現することに長けている

という特徴がありますので、基本的に取材なり試供品の提供なりを受けたブロガーさんは自分の感じたことに対して正直に書くということが特徴として挙げられます。

企業は消費者とコミュニケーションをとりたい。そのためにブロガーに情報やサービスを提供し、消費者の代表として感じたことを書いてもらうことでサービスなりを把握してもらいたい。ブロガーの言葉がきっかけとなり信頼関係を構築でき、最終的にファンになってもらいたい。

こういう意図があるのがPR活動だと理解しています。

企業から掲載の依頼を受けますが、そのサービスや商品をどのように評価・表現するかの主導権はブロガーが持っています。

読者の代表としてサービス・商品を受けて紹介する

スライド1

PRもADも企業の依頼を受けて書くものですが、PR記事はあくまでサービスを受けたり商品を使ってみたりした感想などを率直に書いているものです。きっかけが企業からの依頼で、その商品・サービスの提供を受けてはいますが、ブログ記事としては通常のレビューと何ら変わることがありません。

そういう意味で、1の利点を2で表現するような宣伝臭のない記事だと捉えてください。

ADは「Advertising」=広告

koukoku_web_smartphone

一方、ADは「Advertising」、すなわち広告です。企業が時間なりスペースなりの「枠」を買い取って、そこに自社の伝えたいことを盛り込むものです。ブログでいうと、バナー広告などはわかりやすい例ですよね。ブログの一定の場所を使って宣伝ができるようになっています。

さて、これがブログ記事の形で広告となるとどうなるか、がポイントでしょう。

僕の理解では、そのブロガーの文体、構成力、写真や画像などの表現力を使って、その企業なり商品の宣伝を「1つの記事」として執筆することが求められているのがブログにおける記事広告=AD表記です。

この場合はブログ記事のタイトルに【AD】という表記を入れたうえで、PRの場合と同様、ブログ記事のできるだけ冒頭部分に、その企業との関連性を書いたり「記事広告です」とわかりやすく入れるような工夫を施します。

AD記事の特徴

AD記事は記事広告なので、広告主の意向がとても重要になってきます。広告主から「こういう内容を記事に盛り込んでください」と言われたら、その内容をブロガーのセンスで上手に盛り込む必要があります。

また、記事を公開する前に広告主によるチェックが行われるのが通例です。

したがって、記事の自由度はPR記事に比べてAD記事の方が低いと言えるのではないでしょうか。

企業が宣伝活動を行う媒体としてそのブログが選ばれ、そのブログの得意な表現方法(文体であるとか独特のイラストであるとか)に乗せた形で企業の意図を重視した宣伝活動を行う。これがAD記事だと理解しています。

AD記事では企業から依頼を受け、そのブログらしい表現方法を使いブロガーの感想などを書くものの、記事内容の最終的な確認は依頼者に主導権があります。

幸いなことに、僕がこれまで書いたAD案件では自分の考え方をゆがめなければならない修正が入りませんでした。思ったことをのびのび書いて、クライアント様からOKが出たということでありがたかったなあと思っています。

企業の代表としてサービス・商品を紹介する

スライド2

ADの記事は企業の広告として執筆しますので、このブログにおいて企業を代表して記事を書いているということになります。企業から求められた利点などを抑えた上で、ブロガーとして僕が感じた良い点・面白い点を加えることで、普通の広告に僕のスタイルが融合したコンテンツになるのが記事広告です。

その文体やスタイルは僕のブログのスタイルを継承していることになるので、ある企業が商品を紹介する際に、僕のスタイルを借り受けている、という見方をしてもらえると楽しめるのではないかと思います。

タイトルにAD・PRの文言を含めるか否か

何かサービスを受けた、頂いた、借りたからといって、それがすべてPR案件になるものでもありません。

僕のブログの基準では、ADやPRという表記がタイトルに付く条件は「サービス提供や金銭などの報酬額・便宜の大きさにかかわらず、依頼元から執筆を依頼された場合」です。執筆料をもらった場合だけでなく、製品やサービスの提供を受けただけの場合でも入れます。

2019年冬時点で事実上Webやブログのステルスマーケティング対策の根拠となっているWOMJガイドラインより厳しく設定しています。

どこが厳しいかといえば、執筆費用を頂かなかった場合でも、製品やサービスを頂いた場合にはタイトルにPR・ADのどちらかを入れるということです。2019年冬時点でのWOMJのガイドラインでは、お金を頂いた時にはタイトルにPRをつけたほうが良い、といった書かれ方がされています。

本来、「ステルスマーケティング」は、企業から執筆依頼(広告や広報の依頼)を受けたにもかかわらず、その事実を隠して読者をだます行為です。逆に言うと、執筆依頼なく頂いた試供品や単純にご招待されたサービスが良かったためブログに書いたものは、単純に僕が僕だけの意思でブログに書いたものですから、PRの文字を入れることはありません。

まあ、本文に関係性を示していることがほとんどですけれどね。

お金だけの問題ではない

なぜお金だけでなくサービスや商品の提供でもタイトルにPRと入れるか。それは、例えばですが、

100円の執筆料をもらって記事を書く場合と、世界一周のご招待を頂いて記事を書く場合、どちらが重い執筆依頼か

という問いに対する明快な答えが難しくなるからです。世界一周でなくても、高級家電や車などでも同様です。

どちらが重いか軽いかを都度都度検討し、納得し、また読者の方に納得してもらうというのはとても難しいですよね。
でも、サービスや対価を受けて記事執筆を依頼された場合は全てPR(場合によってはAD)をつける、となっていれば、これは単純明快です。

PRの文字をタイトルに付けない例

製品のご提供を受けなくても僕のブログの例でいえば、

高速道路に乗れない原付バイクの近距離プチツーリングまとめ #TRICITY #トリシティ | 明日やります

この記事をはじめとする、ヤマハ発動機さんから原付バイクを2か月間お借りしてツーリングしていた一連の記事がそれに当たります。

なぜかといえば、そもそもヤマハ発動機さんからブログへの執筆を依頼されない形でお借りしたからです。書いても書かなくても良いバイクに関するブログ記事を、そのお借りしたバイクがあまりに楽しかったのでたくさん書いた。この場合は企業のPR活動に協力したのではなく、完全に自分の主体で記事を書きました。

ですのでPRの表記を入れませんでした。

借りました、という関係性の明示は入れています。これはルール化ではなく自分のスタンスです。

まとめ PR・ADの正しい表記がそのブログを公明正大にする

買って試したのなら買って試したことを書けばいいです。
企業に依頼を受けて書くのなら、依頼を受けたことを書けばいいです。書き方としては、タイトルと本文のできるだけ冒頭にわかりやすく書くというのがベターだろうと思います。そうやって公明正大にすることは、個人ブログとはいえ何かしらの形で企業と接点を持つブログであれば必須な要素になってくるでしょう。

僕のブログにたどり着いてくれてPR・ADを依頼したい企業に向けては

レビュー記事ご依頼の皆さまへ

という固定ページに要件を書いており、メールなどでご依頼を頂いたときにはこのページを読んで確認してもらっています。
細かくは読んでいただきたいのですが、PR記事の場合

「もし僕がご提供いただいた商品・サービスを気に入らなかった場合、記事を執筆しない場合があります」

といったようなお断りを入れております。悪口を書きたくもないし、かといってやらせみたいなほめる記事を書くことはブログの根底が崩れてしまいますので「記事を書かない」というのが落としどころだと思っているからです。

2016年8月時点ではこのポリシーに固まっていて、ブログ上では割とその運用はできているんじゃないかと思います。この考えが固まる前の記事で例外があるかもしれないので、過去記事も追って確認しないとなあとは思っていますけれど。

僕のこのやり方だけが正解だとは思いません。ただ、公序良俗に基づいた運用とか、やらせの類を排除するとか、関係性を明確にするとか、そういうポリシーを持ち始めるのが大切ではないでしょうか。

個人ブロガーも広告を掲載したりPR記事を書いたりする時点で社会性が求められるのです。

※記事を書いていて後からアフィリエイトを入れたことはありますが、アフィリエイトありきで記事を書いた経験がないため、
アフィリエイト目的の記事が広報・広告表記とどう絡むのかは知見がありません。ご了解ください。

参考記事

Webも広告もECも、業界で自浄しなきゃ法律でがんじがらめにされちゃうよ | 編集長ブログ―安田英久 | Web担当者Forum

PRとは「PUBLIC RELATIONS」ってことを忘れていないか? | 大柴ひさみ

PR会社と広告代理店の違い | コラム | 広告代理店 ムサシノ広告社

↓これはAmazonのアソシエイトです

-AD・PR, 運営論
-, , , , ,