今年は坂本龍馬が暗殺された1867年から150年です。土佐が産んだ傑物・坂本龍馬は犬猿の仲だった薩長の仲を取り持ち、新国家の案を考え、土佐藩主を動かし、大政奉還にまでこぎつけました。龍馬の暗殺は大政奉還が勅許された10月15日からちょうど一ヶ月後の11月15日。翌年の江戸開城・明治元年まで生きていられませんでしたが、幕末における彼の、そして彼を始めとした土佐の志士の生き様は後に生きる多くの人の心をとりこにしました。
そんな高知で2017年3月4日から2019年3月31日まで、幕末維新期の高知(土佐)の歴史を感じ取れる「志国高知 幕末維新博」が開催。ダブルメイン会場の一つ・高知県立高知城歴史博物館では暗殺5日前の龍馬の手紙が公開されるなど、歴史ファン必見の熱い展示がされています。
今回、プレスツアーということでお招き頂き、開催前日に中を見学させていただきました。
~ 目次 ~
幕末維新博
幕末維新博は、高知の市街地・高知城の直ぐ側にある高知県立高知城歴史博物館と、高知の有名な海岸・桂浜ちかくにある高知県立坂本龍馬記念館をダブルメイン会場とし、JR高知駅前のこうち旅広場をサブ会場、高知県内の20にも渡る歴史に関係するスポットを地域会場とした、県全体で展開する博覧会です。
さすがに短期間の旅行ですべて回るのは難しそうですが、各エリアにはそれぞれ歴史的スポット以外にもグルメや自然を楽しめるようにもなっており、繰り返し行く価値がありそうな雰囲気。幕末好きなら何度行っても知的好奇心を満たせる博覧会になっているようです。
新発見の坂本龍馬の手紙などが展示!
高知城歴史博物館はこの博覧会と同時にオープンした最新施設です。今回の展示でとにかく注目なのが、坂本龍馬が暗殺される5日前に書いた手紙が公開されていること。5日前の手紙の展示期間は2017年3月4日~2017年5月7日です。
坂本龍馬:「新国家」専心 暗殺5日前の書簡発見 - 毎日新聞
これは2017年1月に発見された最新の手紙で、龍馬が「新国家」といった言葉を使っていること、福井藩の藩士に新しい国家の財政担当者として出仕することを依頼していることなど、歴史的にも価値あるものです。
新しい国家の全体像を描き、その運営基盤を作ることに一生懸命に動いていた龍馬の躍動が見て取れるものになるでしょう。
こちらの写真は龍馬が後藤象二郎に宛てて書いた手紙。
1867年10月13日は、徳川慶喜が二条城で大政奉還の諮問を行い、また、倒幕の勅命がくだされた日でもあります。龍馬が後藤に、二条城での会談がとてつもなく重要なものであることを記し、命がけであることも書かれている、熱い、熱い手紙なんですよね。読んでる僕が胸熱になってきてしまいます。
ホンモノを見て思いを馳せる
展示されている手紙、甲、能面など、当時使われていたホンモノが展示されています。
物を通して時空を超え、山内家や幕末の息吹を感じることができますよね。
なぜか毛を生やしている、耳まである甲です。遠目からみたときにノーヘルであるように間違えさせようとしたのでしょうか?
ホンモノを見たいなら行くしかありません。
歴史が分からない人も楽しめるコンテンツが沢山
幕末維新博、歴史が分からない人も十分に楽しめるコンテンツが沢山あります。
ディスプレイ上をタップすると、ドラクエのセリフ風に解説が出てくるドラクエ風高知城平面図
ピンチイン・ピンチアウトなどタブレットと同様に操作できる幕末年表
同じくタブレット的に操作できるデジタルコンテンツが沢山あります
会場内で貸し出すタブレット端末か、手元のスマホで楽しめる5ヶ国語+土佐弁の音声ガイドも楽しめます。歴史が詳しくないので学びたい!という人も、満足できる展示じゃないかなと思いました。
土佐の歴史では長宗我部氏の検地資料も
江戸時代の直前の戦国時代、高知を始め四国全体は長宗我部氏が覇を握っていました。その長宗我部氏が検地した資料「土佐郡大高坂郷地検帳」(国指定重要文化財)なども見られます。戦国時代・長宗我部氏の好きな人も楽しめる展示ですね。
開催情報
幕末の息遣いが感じられ、高知の歴史も分かる幕末維新博、高知城歴史博物館の開催要項は以下のとおりです。
開館時間:9:00~18:00
休館日:幕末維新博の開催期間は無休(2019年3月31日まで)
観覧料:企画展開催中 700円(20名以上団体 560円)
通常期間 500円(20名以上団体 400円)
高知城とのセット券 企画展開催中 890円、通常期間 730円