定期的に開催され、また僕も割と参加している、五反田の編集プロダクション「ノオト」さん主催で行われているライター交流会。2017年6月17日には「ライターの生産性アップ ~早く書くコツ~」というテーマで行われました。ブログも原稿もスロースターターで気が散りやすい僕は何かしらスピードアップを図らねばならず、そのヒントほしさに参加しました。
ともに業界で長く活躍する石黒謙吾さん、佐藤友美さん。お二人がタップリ語ってくださった約90分で僕が得られたことは。
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当日の様子
当日のイベントは、僕はTwitter実況をしていました。当日のライター交流会の実況ツイートは下記のリンクにあります。よろしければご覧ください。
速記レベル(?)で実況しているため誤字などありますが、たぶん変換ミスが多いので、うまく読み替えれば意味は伝わると思います。
#ライター交流会 FROM:odaiji since:2017-06-17 until:2017-06-18 - Twitter検索
ゾーンに入ると原稿も捗る
ゾーンというのは、よくアスリートが使う言葉です。極限に近い集中状態のことですね。昔、野球の巨人に在籍していた川上哲治さんが
「ボールが止まって見える」
とおっしゃったことがありましたが、今想像するに、これはゾーン状態のときの現象だったんじゃないかと思ったりするんです。
冒頭でも書いた通り僕の遅筆は筆の速度自体もあるけれど集中力のなさがエラいことでして、お二人がどうやって「ゾーンに入るのか」がとても興味あったんです。それを意識して講演も聴き、質疑応答でも発言しました。
原稿を書くときにゾーンに入ると、普段とは異なる執筆量になったり調査量になったり、仕事が捗ります。その分疲労も激しくなることもあるのですが、とにかく捗ることには間違いありません。
自分の中では追い込まれた時にゾーンが発動することが多いのですが、それを追い込まれる前に発動できたらどんなに楽だろうか。
でも、ゾーンは発動させようと思ったら却ってできない。
では、どうやって発動させよう!?
そんなことに興味があり、お二人の話を興味深く聞きました。
まるで違う二人のアプローチ
結論から言うと、石黒さん・佐藤さんともにゾーンの必要性が少ないように感じました。
淡々と習慣化ができている石黒さん
まず石黒さんは毎日淡々と、コツコツと仕事が出来るタイプ。
「締め切りは自分で設定するものでされるものではない」
と言い切れるくらいの計画性を持たれる方で、土壇場で力を発揮して勝つ!みたいな状況からは遠いような印象を受けました。
自分のトップスピードを熟知している佐藤さん
一方の佐藤さんは「締め切りがないと作業しないタイプ」とおっしゃいます。しかしお話をいろいろ伺っていると、これもまたゾーンにはほど遠い作業スタイルなんだなと感じました。
佐藤さんは普段から、30分あたりの執筆量(執筆文字数)をカウントしています。原稿のジャンル・テーマごとに、ご自分がどのペースで書けるかを把握しています。締め切りから逆算して、そこに間に合うように計画立てて書かれているんですね。
長い年月計測し続けているので、ちょっとしたビッグデータなのかも。ほとんどぶれることがなさそうなイメージに思えました。
時間あたりに書ける文字数が分かって入れ、依頼された文章の文字数が明らかで、締め切りがいつだか分かっている。
これであれば、お尻が締め切りに近い時間であるものの焦ったり必要以上のアドレナリンを要求されるようなことにはならなさそうです。
人と戦う競技ではなく、自分と戦う原稿執筆
まあ考えてみれば当たり前の話ですけれど、原稿執筆は他人と争うわけではなく、自分の中の問題です(取材云々はその前段階です)。
具体的な執筆作業の前の準備段階に時間を割いているとお二人は語っていました。キーボードに向かった時には既にアタマの中にまとまっているものをテキストデータに吐き出す作業になっています。
であれば、計画も立てやすいでしょうし、焦る必要がないのも自明の理。そもそものスタイルに圧倒的な差があって、質問が有効で無かった気がします。自分との戦いにゾーンを持ち出すほど時間に追い込まれれる僕の、締め切り時刻に対する考え方を改めるのが先でしょう。
その上でより余裕をもって原稿を仕上げるための「ゾーン」に関する質問ができるよう、精進しなければなりませんね。
計画性が大切
編集者に設定された締め切りではなく、自分で設定した締め切りを守る石黒さん。
準備さえ終わっていれば時間あたりで自分がかける文章量を把握している佐藤さん。
二人に共通していることは、準備の段階にとても時間を割いていることです。ちょっと古いたとえですが、フローチャートを完成させてからプログラミングを始めるような、そんな感覚なんでしょうね。
ゾーンのことはいったん棚に置いて、ゾーンではなく計画性について考え直してみようと考えたライター交流会でした。