曇っていたもののだいぶ過ごしやすい気温になってきた2017年9月30日、2017ブロガーズフェスティバルを開催しました。実行委員長だった過去4年と違い、初めて主催者として取り組んだブロフェスの開催記をお送りします。
~ 目次 ~
今年お伝えしたかったこと
オープニングセッションを含めて9セッション。多いようで少ないブロガーズフェスティバルのセッション数です。非常に幅広いスタイルのブログがあるなかで、すべてのスタイルに対する講演を行うことはできません。
ブロフェスでは回ごとのテーマは強調しておりませんが、今年は少しメッセージを伝えようと工夫してみました。それは
1. 外部からも信頼を得られるメディアとしてのブログ
2. ブログと地方・地域
3. ブログを使ってブログから一歩外に出る
です。個人的には芸能人による近況報告もブログ、マネタイズゴリゴリのブログもブログ、個人の備忘録代わりのブログもブログ、事業を行っている方の宣伝のブログもブログ。全部ブログだと思っています。どれを取り上げたい、どれを取り上げたくないという個人的な意図はありません。
メディアの信頼は揺らいでいるのか?
しかし、昨年あたりからウェブメディアでは問題になってきていた、Welqを発端としたさまざまなWeb上のメディアの信用問題、AD/PR表記をどこに表示するかで様々な議論が沸き起こった件、書き手と読み手の関係が問われた1年だったと思っており、これはフォーカスを当てる一つではないかと思っていました。
そのようなネガティブな要素がある反面、地方や地域とウェブという関係が強く大きくなってきたのもこの1年の特筆すべきテーマの一つと感じていました。編集者・ライターが地域を訪れて記事にするようなメディアも出来上がってきましたし、ブロガーでも地域の情報を主に執筆するひとたちの会ができたり、人気ブロガーがセカンド(メディア)として自分の住む地域をテーマにしたブログを立ち上げる例が複数登場しました。
地域を意識する
信頼を得るブログを運営し、地域や地方のことを書くようになるということは「ブログを武器にして世間に打って出る」ということの一端なのだと思います。確かにスマホやパソコンに向かって操作を行えば配信できてしまうブログですが、その向こう側にいるのは誰なのか。やってきた読者がそのブログ記事を読んだあとどのような行動を起こすのかということに目が行ったのです。
美味しそうな食べ物と絶妙な食レポのグルメ記事を読めば、読者はそのお店へ食べに行きます。
美しい景色と感動した旅の経験を読めば、読者はその土地へ旅します。
ステキな家具や小道具を使って生活の質をあげるライフスタイル記事を読めば、読者はその生活に近づこうと真似をします。
語学の効率よい上達の体験記を読めば、その勉強法を参考に読者は効率化を図ります。
昨年のブロフェスでご登壇いただいた「オジ旅」の皆さんから、そのつぼみが花となりつつある一年だと思っていました。いつ満開になるのかはまだわかりませんけれど。
一歩外に出る
ブログを読み終えた後の読者が画面上の何かをクリックするだけではなく、何かしら思いを馳せたり幸道に映したりする。
読者が一歩踏み出すブログがあるとすれば、それは筆者が一歩外に踏み出しているブログです。外というのは物理的、精神的、両方あると思います。
たぶんそこにはブログのためのブログだけではなく、筆者が体験したこと、感じたこと、成功や失敗したことを書いているのでしょう。それがあるからこそ、読者は筆者の追体験をしたくなり行動に移すのです。
信頼を勝ち取る
信頼のおける記事を蓄積してブログ・ブロガーに信頼性が蓄積されれば、読者はブロガーの記事に合わせた行動をしてくれます。また、その読者がメディアの人の場合であった場合、そこからお仕事が発生する可能性も生まれるのです。
オープニングセッションの徳力さん、ステージBの堀口さんは外部の目からブログを判断される側に立っています。西村さんは地域の方々から信頼を勝ち取っている人ですし、はらぺこグリズリーさんは記事の蓄積で出版社の信頼を勝ち取り、そして発行部数という結果を残しました。
徳力さんには本当に無理をお願いしてあのテーマでオープニングセッションにご登壇いただきました。
だって、この1年で、Webメディア・個人ブログに対する愛情を一番強く表現してくださった方だと思っていたから。
基本要素にも工夫がたくさん
ステージAは例年、文章、写真、デザイン、マネタイズと、ブログに関する重要な基本要素をテーマにした講演で構成しています。ただし登壇する方によって、毎年性格が大きくかわるものでもあります。
長谷川さんの柔軟な発想、タクロコマさんの「写真+文章」の表現、大谷さんの生作業公開、ayanさんの懐の深さ。自分の得意を講演という形で表現するのにも、さまざまな方法があることが見て取れました。
LT優勝者枠の熱さ
LT(ライトニングトーク)大会の優勝者には翌年の登壇権が商品としてプレゼントされます。つまり、この1枠は主催者がまったくコントロールできない登壇者ということになります。
今年の登壇者、片岡さんとコムさんは、ともに異常なまでの熱量でブログを更新している方々です。もちろん彼らも戦略・戦術をもってブログを作っていますが、それ以上に、ほかのどの登壇者よりも大きな熱量で1セッション作ってくれました。
彼らの講演テーマに「ニッチ」という表現がありました。このニッチという要素は、ページビュー自体だけが「商売道具」としなくても良いブログだからこその魅力ともいえます。
「ゴーヤ」「つくば」はすべての参加者が真似できるブログテーマではありませんが、彼らの熱さや、ニッチなテーマとどのように取り組んでいるのかという姿勢から見えてくるものはたくさんあったのではないでしょうか?
LT大会も熱く
LT大会自体も熱いものとなりました。地元愛、夢と挫折、プロブロガー、ブログきっかけの出版、不正アフィリエイトの例など、ただの自己アピールではない、参加者に考えさせる何かを語ってくださった方が多かったのではないかと思います。
同点優勝の昨年ほどではありませんが、今年も大接戦だったと聞いています。そして「来年は自分もLTに出るぞ!」と宣言してくださる参加者が既に出てきてくれているのも嬉しい限りです。
スポンサーがいなければブロフェスは開催できない
スポンサーのみなさまにも本当に感謝しなければなりません。
200名近くを収容できるホール、一同に会するのが贅沢なご登壇のみなさま、参加者の皆様が「豪華!」と言ってくださる懇親会の飲食。これらを準備してお届けするにはどうしてもお金が必要です。主催としては集まったブロガーさんたちにメリットがありつつ、またブロガーさんが集まるということがメリットになるようなスポンサー様のご協力があって、初めて会場の契約も、飲食の手配もできます。
2017ブロガーズフェスティバルは以下の企業・個人・団体の方にご協賛いただき運営できました。ご協賛いただきましたことに感謝の意を申し上げ、ここに一覧を掲載いたします(順不同・敬称略)
ブロガーにモニターやイベントなど様々な機会を提供するサービス「reviews(レビューズ)」
by アジャイルメディア・ネットワーク株式会社
すごい人はもっといるし、面白いジャンルももっとある
すごいブロガーさんはもっともっとたくさんいますし、面白いジャンルのブログももっともっとあります。できるだけ界隈を意識せず、いろいろなジャンルのすごい方にご登壇頂けるよう今後も頑張れればと思います。まあ今はちょっとだけ、開催後の気の抜けた期間にもなっちゃいますので、始動はもう少しあとになるかしら。
「こんな登壇者、知らなかったけどお話聞いたらすごい役立った!自分もやってみる!」
こういってくださる声があると、年に一回「ブロガーにとってすごい人キュレーション」をしているやりがいもあるというものです。
ブロフェスに参加してくださったみなさま、ご協賛頂きましたみなさま、ご登壇いただきましたみなさま。
そして励ましやお叱りを頂戴しましたみなさま。
本当にありがとうございました。参加レポートの作成など事後作業は残っておりますが、ひとまず2017ブロガーズフェスティバルの開催は終了です。
今後もよろしくお願いいたします。