後から見ると関係ないけれど2018年最初の記事。年頭の言的なアレです。あけましておめでとうございます。
ブロガーさんがスキルアップを考えているなら、旅ブログで実績を積まれている方々の考え・所作を参考にされると良いでしょう、というお話です。
旅ブログのスタイルにもいろいろあって語りきれませんが、ここでは何かしらの形で地元の方や企業から招待を受けて、その地域の情報をブログで拡散するスタイル、を例にします。
~ 目次 ~
期待が大きい「旅ブログ」

これはブログに限らず、旅系・地域系のWebメディアでも同様のことです。ブロガーを呼びたい企業・自治体は、決して少なくない身銭を切ってブロガーを招き、数日という日程に渡って担当者をつけ、地元の良いところをアピールしてくださいます。
なぜそういうことをするのかと言えば、それはその地域の素晴らしいところをWeb関連のメディアで取り上げていただきたいから。長い目で見たら、それを見て一般の方が旅に訪れてほしいとか、その地域を訪れる旅行者が訪れるスポットとして参考にしていただきたいからでしょう。
他県のお金を自分の地域にいかに落としてもらえるか、ということもありますし、人が人を呼ぶ流れになることでその地域の良さがスパイラル的に伝わるというメリットもあります。その起点としてブログに期待がかかっているということが言えます。
期待につながる成果を出せるのか

となれば、ブロガーはその期待に応えることが求められるのです。最終的に人が来るかどうかという数字までは確約できないにしても、その地域の良いところ、綺麗な風景、美味しい食べ物、歴史などをきちんと伝える力量のあるブロガーが求められる、ということになります。
さらに、旅の形で情報を得ることになるので、後追い取材がしにくい要素もあります。一発勝負でキチンと情報を得られる取材力も求められるんですね。
その取材力の中には、文章力とともに写真あるいは動画の力も含まれています。さまざまな手段を駆使して表現できるブロガーが求められるでしょう。
つまり、やり直しの効きにくい取材をきっちりこなし、その地域の勉強をし、良いところを余すことなく伝えられるブロガーが、旅ブログの依頼をうけ、しっかり書けるんですね。そうやって考えると、旅ブログで成果を出せているブロガーさんは基本的な力がしっかり付いている傾向にある、と言えるのではないでしょうか。
人付き合いができないとだめ

旅ブロガーのもう一つの特徴は、旅先の人々との交流力が高いということです。自治体の担当者は公務員もいたり、お年を召した方もいたり、その地域の隠れた問題を心に秘めながら対応を下さるような方もいます。
そういった方々と交流しながら地域の良さ・問題点を共有しながら記事を作り上げるには、人に対する取材力・コミュニケーション力の高さが大切です。そして再びお招き頂くようなブロガーさんはえてして、旅の後にもしっかり担当者とコミュニケーションを取っています。そのコミュニケーションは「また呼ばれたい」と媚びたものではなく、一度お招きいただいたご縁もあるし、良い所を自分は知っているので積極的にシェアしてあげたい!という優しさがあります。
自治体の方も人間です。同じアウトプットをしている複数のブロガーがいたら、好感度の高い人に次の依頼をしたくなるのは自然なことです。
仲間など、自分の付き合いやすい人とだけつるむ毎日ではなく、知らない人とも何か一つの話題で失礼の無いように話を勧められるようなスキルがあった方が良いでしょう。
旅ブログの上手な人は、自治体などのご担当者とも上手に話せますし、行く先行く先で出会った方からも上手に話を引き出せます。そういうコミュニケーション力を学べれば、良い旅ブロガーへ一歩近づけるかもしれません。
自分のためだけではなく、相手目線になれるか

冒頭で書いたように、自治体をはじめとした方々は、税金をはじめとした「その地域で発生したお金」をブロガーに投資してくださっています。
したがって「わーいタダで旅できる!オイシイオイシイ!」という気持ちだけで参加しているブロガーさんは好かれないと思っていた方が良さそうです。
お招きくださった方が何を望まれているのか。
「それ言ってくれなきゃできるわけないじゃん」
というのであれば、その前にコミュニケーション力の不足を嘆くべき。
地域の方々は情報発信や言葉のプロとは限りません。その方々が何を望んでいるか。相手目線になって考えられる優しさやセンスは必要です。
その上で、発信を手伝うのか、地元の人に発信方法を教えるのか、など相手の為になることが何かを考えられるブロガーが、地域のタメになるというものです。
参考にしたい旅ブログを書かれる人々
そんなこんながとても上手なブログをいくつかご紹介します。彼らが「上手な旅ブログの書き方」という解説書を書いてくれてるわけではないと思いますが、そのブログを見て、表現を確認して、その良さを自分の身に刷り込んでみてください。
地域の形はさまざま。あるブロガーのある地域のやり方をそのまま真似したところでほかの地域には当てはまらないこともあります。何を大切にしていたかを読み解いて自分の血肉にする、そんな読み方を意識して見ると良いでしょう。
では紹介しますね。
め〜んずスタジオ
雑記ブログですが、その一ジャンルの旅ブログが旅専業のブログほどのクオリティがあります。
2016年・2017年と三重県の大台町という町から依頼を受けて有力ブロガーを引き連れ、取材やイベント登壇を行うといった活動もしています。
また、ブログを運営するアスカさんは別ブログで東京都・豊洲の地元情報も積極的に発信中。自分の住まない地域の発信と、自分の住む地域の発信の両面から考えることができる人です。
わらしべ暮らしのブログ
旅ブロガー・ライターのayanさんが運営するブログ。一度の旅に対する記事数が圧倒的で、地域の良さを伝えようという気持ちと、招いてくださった方の期待に応えようという気持ちの両方が結果によくよく出ているように思います。
地域の人がayanさんにお願いしたい、というのが分かる気がするんですよね。
じぶん日記
島根県ふるさと親善大使・出雲観光大使のライター・ブロガー、愛さんのブログです。愛さんは地元の方との交流が特に濃厚で、東京へ来られる方の案内をしたり、ビジネスのお手伝いまで行ってしまう関係性を築いています。
こうなると「取材力」の範疇を超えているのかもしれませんが、そういう関係を築けているからこそ書ける記事があるわけで、そういう記事を探すようにしてみると学べるところが多いのではないでしょうか。
エアロプレイン
旅と写真とレビューのブログ「エアロプレイン」 | そこそこ深く、幅広く
そもそも書き手としてのスペックが全体的に高い中山記男さんですが、その中でも素晴らしいのが写真技術。専門ブログではありませんが旅の記事は非常に多く、美しい多くの写真を見て
「自分もこんな写真撮りに行きたい!(でも撮れない)」
と思うことしばし。
書き手が美しい景色を美しいと伝えられることは、ブログならでは。ライターとしての仕事ですと掲載する媒体の意向でその風景が掲載できるか気になるものですが、ブログだからこそじぶんの感じた「美しい」をそのまま記事にできるのです。
そのとき、このカメラ技術があったら最強ですね。
東京散歩ぽ
関西出身の奥さんのために東京の情報をいろいろ載せよう、と始まったブログですが、その活動がこの数年、東京を飛び出しています。ノウハウ十分な筆者が東京外の地域に出ることで、その力量をどのように発揮しているのでしょうか。それはブログを見てみてください。
誠実な書き味は依頼者からの評判もよく、再度の依頼をよく受けているようです。記事だけの力ではなく、人柄・コミュニケーション力など総合的な力に長けていると感じます。
まとめ マニュアルに頼らずコミュニケーションを取れる人が強く、これからのスタイルに
ここまで紹介したように、旅ブログの上手な方は、ブログに関する総合力が高いと判断できます。
ここに挙げた以外にもたくさんたくさん、上手な旅ブログを書かれる方がいらっしゃいます。それらのブログを読み、それぞれの書き手が何を大切にし、何に注力して書いたのかを読み取ってみるとブログの力量を上げる力となるでしょう。
旅ブログの書き方にはマニュアルがありません。出会った風景・人・名産などに応じて柔軟な取材姿勢が求められるから。自分の力で考え、まずは自分の生活圏内から急行で30分くらい離れたところの地域情報を書いて練習するなどし、力をつけてみると良いのではないかと思います。
ああ、僕も旅ブログ上手になりたい。地域の情報発信のお手伝いしたい。