毎年秋口にブロガーズフェスティバルという、250人規模のブロガーイベントを開催していますが、この秋はちょっとだけ延期し、来年上半期の開催予定として開催時期をずらさせていただきます。苦衷の決断ですがその理由などをご説明させていただければ。
「ブロフェス2018」は幻のナンバリングになってしまいますが、早めに「ブロフェス2019」をお届けできるよう、準備を精一杯頑張ります。
~ 目次 ~
Hagexさん刺殺事件のダメージ
今年の6月に起きた人気ブロガー・Hagexさんの刺殺事件は、ブロガーズフェスティバルの主催チームにも大きな影を落としました。
事件のあらましをここで詳しく振り返ることはしませんが、これまでは
ネット上のトラブルはなんだかんだネット上で完結する
ということだったのが、あの事件で
ネット上のトラブルが現実世界に降りてくることがあり得る
という風に変わってしまったのです。まさに0が1になった事件でした。その結果、ぼくたちの頭の中では考えなければならないことがたくさん出てきたのです。
事件からの期間が短すぎる
ブロガーズフェスティバルの開催は、およそ9月下旬から秋の間、といった感じです。6月下旬のHagexさん刺殺事件から、3ヶ月ちょっというタイミングで大規模イベントを開催するのはちょっと早すぎる、という判断をしています。
事件のあと、オープンで大規模なブロガーイベントは、僕の観測範囲では開催されていません。ASPのイベントはあったかな?
ブロガーやアフリエイターが集まった「ジャックナイト」(僕とはまったく関係ないイベントです。参加もしていませんが大盛況だったようです)が新宿で行われたのが2018年6月23日。Hagexさんの事件が翌24日のこと。それ以降、小中規模のブロガーイベントは各地で行われているでしょうけれど、100人を超える規模の、有志によるブロガーイベントが開催されたというのは聞いていないんです。
ツイッターで、犯人のニックネーム「低能先生」を検索ワードにチェックしていますが、毎日だれかしらがこの単語を使ってつぶやいています。
記事の内容は賛否両論ありましたが、Hagexさんのブログは煽り(あおり)や炎上の手法を使う情報発信者に対し、ときには強烈に、ときにはシニカルに批判をしていました。彼の死後、煽る人は相も変わらず煽り続け、そのアンチと呼ばれる人は語句鋭く批判し続けるという構図が続いています。
現状で何が変わったかといえば、シニカルに批判する人が一人いなくなっただけで、ブログやSNS上のヘイトは減っていません。結局は何も変わっていないんですよね。
模倣犯がいるかどうか分からないこのタイミングでの開催はちょっと早いのではないかなあと感じました。
トラブルの予防や発生抑止が固まらなかった
ぼくたちブロガーズフェスティバルの主催チームはネット上で大きな騒ぎを起こすようなブログ記事は避けていますし、もちろん炎上・あおり・騙りをしないような運営を心がけています。ともにブロフェスを支えてくれるボランティアスタッフも同様で、過激な言動で賑わす人には一切お手伝いをお願いをしていません。
でも、ネット上の恨みはいつどこで買うかわかりません。炎上も思わずしてしまうこともありますし、火消しを間違えば、より火力が上がります。
つまり、ブロガーズフェスティバルの主催者と参加者、または参加者同士で恨みつらみの関係ができてこないとは限りません。
あの事件の後の最初の開催では、大規模イベントで警備面の強化は何かしら必要ではないかと考えました。主催チームがすべての参加者に目を配ることができませんからね。
僕の頭の中に浮かんだだけでも
- 実名登録制
- プロフィールのしっかりしていないSNSやブログと紐付いていない人は却下
- 私服警備員の起用
- イベント保険(?)の適用
などなど、考えては消え、また浮かんできました。
ブロガーさんにお集まりいただくのに、普通に考えたら全員を実名登録制にするなんてあり得ないじゃないですか。でも、どんなあり得ないことでも参加者の安全を守る方が大切だ。いやでも参加者の集まりやすい範囲内でいろいろやるべきだ。そんなことをぐるぐる考えています。
責任・感情の分岐も難しい
低能先生は、当時のイベントには参加せず、終了後の被害者を狙いました。イベント外で起こった事件であると言えます。
しかし、同様のことがもしブロガーズフェスティバルで起こった場合、イベント中でなかったからと運営チームや参加者が割り切れるものでしょうか。
やっぱり、暗い影を落とすのではないかと思うのです。
そして、主催や被害を受けた人(が出たとして)の近しい人にはいくつかの後悔が残るかもしれません。
そして、イベント主催者としてそれはイベント外だから関係ないと言い切れるのか、といった自問自答も残ります。
0が1になってしまったが故に、想像しうることは想像し、打てる手を打つ、それにかかるコストも解決する。
イベントの保険があるのか?あるならいくらでどういう補償があるのか?それも確認する。
それが腑に落ちるところまで昇華できないと、ブロフェスとしては開催できないなあというのが正直な気持ちです。
「いや、もっと気楽に考えなよ。考えすぎてもしょうが無いし、もっと軽く開催する人もいるよ」
そういう声が聞こえてくるだろうことは分かります。
でも、ブロフェスはそうしたくないんです。
来年上半期の開催を目指します
事件にびびって、開催したくなくなった訳ではありません。
ブロガーのみなさんに新たな出会いを提供したり、素晴らしい講師の方のお話を聞いていただきたいという僕たちの気持ちは何一つ変わっていません。
だからこそ、安心して、良い意味でつつがなく過ごせるブロガーズフェスティバルにしたいのです。
そのための準備期間を、少しだけください。
みなさんが気軽に安心して参加できるブロフェスをこしらえて、2019年の上半期、できれば春先に開催できればと考えています。
ブロガーを巡るトピックは、前回の開催から1年経ち、いろいろ出てきていますよね。オンラインサロンやミニセミナーの隆盛、刺殺事件自体もトピックですし、地域ブログの発展、著作権をはじめとした権利周りの変化、ちょっと考えただけでもこのくらいは出てきます。
そんな流れのご紹介を、またブロフェスでやっていきたいと思っていますので、どうかもう少しお待ちください。
また進捗があり次第、随時ご報告いたしますので。
最後に、志半ばで命を落としたHagexさんに、心から哀悼の意を表します。