誰かに依頼して行う情報発信もあれば、自分で行う情報発信もありますよね。
農家をはじめとして地域の様々な事業者をつなぐJAは、統括エリアごとにウェブサイトがあります。そのサイトの記事更新を担当している、主に広報さんが集まる研修会が2019年2月28日に東京・大手町であり、そこで一時間、情報発信の講演を行いました。
約7年のブロガー・ライター活動と、様々なブロガーイベントを主催・登壇した過程で得た知恵・経験を元に、大切なことをわかりやすく伝えてきたつもりです。
そんな中で話し切れなかったこと、懇親会などで会話した内容を振り返って伝えたかったことをブログに書くことで、参加されたみなさまのフォローアップに役立てていただければと思います。
~ 目次 ~
JAの地域ごとに異なる「誰向け」の情報発信かを意識しましょう
JAと一言で語っても、エリアごとにJAとお付き合いする事業者の業態の比率は異なるらしいんですね。懇親会でお話を聞いていたあるエリアのJAご担当は
「うちは農家が10%くらい、非農家が90%くらいなんですよね」
とおっしゃっていました。意外ですよね!
ということは、そのJAでは
すべての農家に響く情報を出したとしても、お付き合いする事業者全体から見ると10%にしか届かない
非農家の30%にしか響かない情報だったとしても、お付き合いする事業者全体から見ると27%に届く
ということになります。
もちろん、だから農家向けの情報がいらないというワケではありません。
どういう方をターゲットに、どういう情報をお届けするかという意識と、どうやったら届きやすいネタになるかということの仮説を立て、試してみて、反応を確認し、また発信してみるという、PDCA的なものを回していただくと良いのではないでしょうか。
上記の例でいえば、農家のみにしか発信しない、非農家のみにしか発信しない、ということではありません。それぞれに向けて発信する別の情報があるでしょうけれど、せめて一つの記事はひとつの対象に向けてかいたらいいですよ、ということです。
それらの記事の集合体として、いろいろな契約事業者に多くの情報が伝われば良いのです。
規程・規約の確認ページにしたくないのなら、ファン作りは大切
懇親会でお話を伺っている中で、JAに関連する農家と農家、農家と企業、企業と企業を結びつけて新しいことをしてみたい、とお話される方もいらっしゃいました。
そのためにJAのウェブサイトを活用したいのであれば、地域の方々がそのサイトを訪れ、交流の場の基礎になるような仕組み作り、サイトのファン作りを狙ってみると良いでしょう。
情報を発信するところに情報が集まる、とは良く言ったものです。JAサイト内で面白いことをしている人たちを特集すれば「この人に連絡を取れないか」といった問い合わせも来るかもしれませんし、取材した人同士を結びつけたいという欲求が出てくるかもしれません。
そうしたらしめたもの。その地域の中で新しい事業が生まれるチャンスです。
規程や規約を掲載しておけば、必要な時には調べて見に来てくれるでしょう。けれどもそれではファンは作れませんし、情報は集まってきません。一方通行のサイトになってしまいます。
でも、そうじゃないですよね。
組織の合意をとるために担当者に権限を
「やってみたいけれど上長の許可が必要で」
「SNSのアカウントを作っても、発言には上長の承認を得なければいけない」
こういうお話もいくつかお伺いしました。無責任な「インフルエンサー」なんかですと、そういった上長の方を老害呼ばわりして終わりなんですが、現場はそんな簡単なものではありません。
上長には上長の経験や考えがあって慎重にもなっているし、失敗を恐れているはずです。
力押しに解決することができなかったとしても少しずつ変えていかなければ情報発信の効果を生みにくいですよね。
- まず、インターネット経由の情報の伝達力がこれまでのメディアに近づき、無視できなくなっていることを認識していただく
- インターネットを使った情報発信は「ブログメディアだけ」「Twitterだけ」「インスタグラムだけ」よりも、それぞれの得意領域を活かし、組合わせて発信した方がうまくいく事例を紹介する
- 責任者は「分からないから怖い」気持ちがあるからこそ若い人に任せるのにブレーキをかけていることもあります。若い人にある程度の権限を与えて美味く言っている事例、若い経営者の情報発信がうまく行っている事例を集めて説得する
こういった点を含めて説得にあたり、発信しやすい環境作りを頑張ってみていただきたいのです。
情報発信は、実際にやってみないと上手にはなりません。車の運転と同じで、原則的なルールや運用方法が分かっていれば、そして運用者に極端な危うさがなければ、そうそう大事故(大炎上)は起きないものです。そして、運用(運転)すればするほど勘所が分かって、上手になります。
講演させていただいたご縁もあるので、そうしたお手伝いが必要であればご遠慮なく、ご連絡をいただければと思います。
細切れ時間を使って記事を書いてみよう
登壇の前に、研修会のご担当者からは「専任でサイト更新ができるような方はほとんどいません。他の業務と兼任して行っています」
ということを聞いていました。
となると、理解があって人員を増やすぞー!っていう職場以外は、今使える時間の有効活用をするしかないじゃないですか。
そこで
「できるかもしれない」
手段は、やっぱりモバイルとクラウドの活用だと思うんですよ。
クラウドの活用については社内規程などで簡単にできるものではないとは思います。
クラウド導入に前向きではない企業の考えを変えるのが簡単ではないことは、自分も経験上で分かっていますから。
なので、そのルールの範囲内でできるアドバイスはしてみたつもりです。
有効な情報収集のしかた、メールソフトを使った文章の下書きなどなど。
細切れ時間を有効に使えるようになると、記事執筆の時間は稼げるようになります。スマホの活用術も、別途いろいろお教えすることができますよ。
貴重なお時間をありがとうございました
50名の方が1時間聞いてくださった。それは50時間分の時間を僕に預けていただけたことになります。
それだけの価値があると見込んでくださったことに、本当に感謝しています。
それでも一時間では話し切れなかったこと、もっと深堀したいこと、みなさんの業務効率化に役立つことがたくさんあるように思いました。
ぜひまたお話をいただける機会があればと思っています。
また、情報発信にご興味があるけれど詳しくなくて分からない!という自治体・企業のご担当のみなさま、いろいろご相談に乗れると思いますのでぜひ一度ご連絡くださいませ。お待ちしております。