2019年5月31日に紛失物防止IoTデバイスの「MAMORIO」の新バージョンが発売、合わせて様々なサービスが拡大・拡充されることとなり、前日の5月30日に発表会が行われました。MAMORIOの貼り付けタイプ「FUDA」の発表会にも参加した立場としては今回もぜひとも伺いたく、発表会を見てきました。
MAMORIOの新製品発表に加え、アプリの機能強化、関西圏でのサービス拡充など盛りだくさんなニュースがありましたよ。PRだから、とかではなく、真剣に
「MAMORIOを持っていてもいなくても、スマホのMAMORIOアプリのインストールをしておいたほうがいい」
そう思ってしまったほどのありがたいサービスもありました。そんな発表会の様子をお伝えします。
~ 目次 ~
MAMORIOのニューバージョンが出た
警察に落とし物が届く割合は毎秒1件なんですって。
マジか!
って数字です。およそ1年を365日ぴったりと仮定すると31,536,000秒。2886万件ということは、およそ1秒に1度、警察に落とし物が届けられているということになりますよね。届けられない落とし物があることを考えれば、1秒に1度以上の割合かもしれません。
MAMORIOはチェーンでぶら下げる、はりつけるなどして、落とさないように見守りたいモノに取りつけ、それとスマホをBluetooth通信で存在チェックをすることで、身の回りから持つことを忘れることがないようにできるIoTデバイスです。
アプリ起動中は常時見守ってくれるため、MAMORIOを取り付けるのに適しているのは部屋や車の鍵を一つにまとめているキーホルダーや財布など、身に着けることが多い小物です。
紛失防止が高い確率でできるだけではないんですよね。MAMORIOを付けたモノが無くなったときに、MAMORIOアプリをインストールした他の利用者が近くを通るだけで場所を通知してくれる「みんなで探す」機能があります。
例えばジョギング中に鍵を落としてしまった場合、みんなで探す機能をONにすることで、MAMORIOを使う他のジョガーが近くを通った時に、持ち主のもとへ場所だけが通知されます。それによって落とした場所に近づくことができるというわけです。
余計な情報が「近くを通った人」のスマホに残るわけではないのでセキュリティ面も心配ご無用です。
これは無くしにくくなる。
というMAMORIOの新製品が5月31日から発売になっています。
新しいMAMORIOは電波の飛距離や電池寿命が大幅アップして価格は2,480円です。
ベージュやサクラピンクなど、可愛い系の色が好きな人にも使いやすいカラーバリエーションが出てきましたよ。
MAMORIOアプリに搭載された新サービスが魅力的
最も面白いとおもったのはサービスの追加でした。それぞれ魅力的な機能・特徴を持っていますよ。
AR技術を使ったアプリで近隣のMAMORIOを探す
今のところiOS版のアプリだけなんですけれど、スマホのカメラで移したその場の画像から、MAMORIOからの信号強度をうまく判断して、信号の強いところに赤丸を、以下、紫→水色と弱い色になっていく、という仕組みの機能をアプリに搭載しました。
何かの隙間に落ちてしまった時なんて、近くにあるのにわからない!ってなるわけじゃないですか。それがARを用いて近寄るところまでできるようになるのは斬新です。近くによったら、あとは人間の目と手で探せばいいですもんね。
超ありがたい!お忘れスマホ自動通知サービス
これまで、MAMORIOのアプリっていうのは、購入したMAMORIOを監視するのが機能の95%だったわけですよ。電池切れのMAMORIOの有償交換みたいなこともできましたけれど、それは数ヶ月に一度の話。
しかし、MAMORIOと、遺失物センターなどに設置しておくことでMAMORIOが到着したときにアプリに送信できるMAMORIO Spot、そしてこのスマホアプリの3つをさらに上手に連携することによって、スマホ自体が遺失物センターなどに着いたときに、あらかじめ登録したメールアドレスにメールが届くサービスを始めたのです。
そもそもMAMOIO Spotの仕組みは
▼こんな感じです。
MAMORIO Spot自体は
JR各社、都内近郊の私鉄、南海・近鉄・京都丹後鉄道など関西の鉄道会社のほか、高島屋や郵便局、JOYSOUND、など様々な事業者が設置してくれています。
だから、主要鉄道のどこかで落としても見つかりやすいですし、最近はとくに多い、異なる鉄道事業者の乗り入れのために、A鉄道で落としたけれど終点はC鉄道の駅だった、といった場合、どこに保管されるか分からないといった問題にも対応できます。
MAMOIOの場合は、最終的に遺失物センターのMAMORIO Spotから通知が来るため、無くした鉄道と遺失物センターの主管の鉄道会社が異なっていても、人間が意識する必要はありません。
これもすべてMAMOIO Spotがいろいろな所に設置されているから、なのです。
そこで、MAMORIO SpotがMAMORIOアプリと反応することでメールが届く仕組みをこのたび構築しました。それにより、スマホの電源が入っているなどの条件が複数あるものの、紛失したスマホが届けられた場所を記したメールが届くのは本当にありがたいことです。
遺失物として連絡が来るのはおよそ5日。スマホが重要な現代は、スマホをなくして2~3日もたつと、新しいものを買ってしまうことも珍しくありません。それが20分ほどで通知が来ることが期待できるのであれば、これは大きな変化です。
まあ、条件があるのは仕方ありません。
大阪メトロ・京阪電車とも提携
先ほど、南海や近鉄などの関西の鉄道会社にMAMORIO Spotが設置されている説明をしましたが、このたび大阪メトロや京阪にもMAMORIO Spotの設置が決まったそうです。
関西の大動脈もほぼ網羅。電車での忘れ物に対する恐怖が減りそうです。
そうそう、首都圏の鉄道もさらに増えたそうですよ。
技術バカにならずリアルな企業と提携しているから好感が持てる
ITで何かすることしか考えてない企業とMAMORIOの最大の違いは、リアルな企業を巻き込めていないか、巻き込めているかの違いです。
いくらデバイスが諸々対応したって、それを拾った人がどこに預けるかでその後の動きが大きく変わってしまいます。MAMORIOは鉄道会社やカラオケボックスなどと提携することで、忘れ物が集まる場所に来たときに通知が届く仕組みを確立しました。
これは地道にリアルな企業と交渉を進め、有用性をアピールし続けていったからだと感じました。
技術バカでなく、理想を現実的な解法で実現に向けています。これは本当にすばらしいな、と。
なくすを、なくす。
素敵なキャッチコピーです。自分もiPad等に付けていますが、ますます活用したくなりました。
特に、スマホの紛失が避けられるかもしれないメリットが大きいMAMORIOアプリ。これは手持ちの全てのスマホにインストールしておこうと強烈に思いました。これやるだけで安心感が大きく変わってくると思います。
人間、なくし物はするよりしない方が良いです。
でも、1秒に1回、だれかが無くしているからこそ、無くしたときの安心感を持てるようにしておきたいもの。
MAMORIOとその周辺サービスは、その安心感を与えてくれるナイスなデバイスだなと感じました。