新型コロナウィルス感染症の世界的な流行によりリモートワークが推進され、SkypeやZoomなどビデオ会議システムを使う人が増えました。
ビデオ会議システムを探していたときにみつけたRemo。2週間の無料試用期間があったので試してみたRemo Conferenceはイベント会場をオンラインで模したスタイルになっており、ビデオ画面だけが並ぶ他の会議システムとは一線を画したものでした。
イベント会場をオンライン版にした作りではありましたが、画面構成を見た瞬間に
「どうみてもこれはオンラインコワーキングスペースだ!」
直感がピーンと来てしまったので、試用期間中はネット上のコワーキングスペース的に活用してみました。
コワーキングスペースを活用したイベントを何度も開催していることもあって、普段のコワーキングスペースの活用からイベント開催への流れが頭の中で組み立てられるシステムだったんです。
Remoのサインインやイベントについて説明します。
~ 目次 ~
Remoとは
ビデオ会議のツールは、まあ参加者の顔がずらずら並ぶインターフェースがほとんどです。打ち合わせの場に居る人の顔が文字通り揃っている、というイメージです。
Remoはイベント会場を模したRemo Conferenceと、オフィスを模したRemo Virtual Officeの2種類があり、Remo Conferenceではステージとテーブル席のあるイベントスペースをオンラインにした場があります。
そこでは
- ステージと参加者
- 同じテーブル同士の参加者
が動画やチャットでコミュニケーションを取れます。
同じ会場にいても、異なるテーブルの人の会話は聞こえないのが面白いところです。
参加者はテーブルを移動できるので、お目当ての人が居れば、そのテーブルへ移動して話しかけられます。
こまめにバージョンアップされているようですので、機能や画面は記事執筆時点と操作時点で異なる可能性があります。掲載時期による違いがありましたらそのときはご容赦下さい。優しく教えていただければ修正します。
Remoの価格プラン
まずは2020年4月29日時点での料金プランのスクショをどうぞ。
(https://remo.co/conference-pricing/ より)
おそらくRemoでバーチャルコワーキングスペースをやろうと考えた人は何人もいると思うのですが、料金面で躓きそうです。そんな感想を何名からか聞きました。
コワーキングスペースを運営すると仮定したら、少なくとも1日8時間くらい、オンラインだけにできれば24時間開けっぱなしにしたい、という人もいると思うのですが、イベント時間を無制限にできる料金プランは「Studio」(950ドル/月)です。約10万円ですね。
月50ドルのプランでは、一度のイベントは75分しか設定できません。これではイベント後の懇親会も開けません。
「続きは別システムで」
なんて流れになりそう。
Remoへのログインとイベントの生成
続いてRemoでイベントを作るための手順を説明します。最初はアカウント作成。
Remoのユーザーアカウント作成には
・名前・メールアドレス・パスワード
・Googleアカウント
のどちらかが必要です。まあお好きな方で登録すれば良いでしょう。
登録が終わればイベントを作れます。「Create Event」をクリック。
試用期間中はバーチャルコワーキングスペースとして使うつもりでしたので、イベントの開催期間を複数日にまたがって設定しました。
Prepare画面でイベントの概要を決定
イベント作成画面では、イベントのタイトルや開催時間、説明、イベント画像を決めます。
僕が試用したときは時間無制限でしたが、今は120分以内のイベントのみ作れるようですね。
Floor planで画面構成を決定
Floor plan画面で、フロアイメージを決めます。画面の色使いや席数、画面上部のステージの設定などです。
ステージ左横の四角にはYouTube動画を貼り付けられます。登壇者の関連動画を設定するような活用が見込めます。
Onboard & Broadcastで一覧画面やイベント参加時の表示設定を
Onboard & Broadcast画面では、イベントの一覧表示時や参加時のウェルカムメッセージなどを設定します。
テーブル名の設定やスポンサーのロゴ指定もできる
実際のイベント画面からは、テーブル名やスポンサーロゴの指定ができます。
テーブル名は、それによってシステム的に制御することはできませんが、例えばコワーキングスペースのイメージを作るのであれば
- モクモク席
- ゆるい会話OK席
- 休憩席
- 宴会席
など設けておき、それに準じて居ていただくルールを内々で作ることになりそう。
また、他のテーブルの声が一切聞こえないことを活用し、子連れOK席を作るのもリモート時代のコワーキングスペースとしては面白いかな、などと考えていました。
スポンサーはバナーor動画貼り付けとサイトリンク
スポンサーは画面内に4箇所もしくは6箇所、貼り付け可能です。工夫次第でイベントタイトルにスポンサー名を入れるとかはできますね。
たとえばこのようにバナーを貼り付け、クリックしたら大きな画面に。
この画面では静止画もしくはYouTubeのURLを指定できます。
画面下のボタンから、どこかサイトへリンクを飛ばせます。
全体設定画面でイベント終了後に飛ぶURLの指定をしておこう
全体の設定画面からは、イベント終了後に自動的にページ遷移できます。
ここは登録している法人のプロフィールや支払情報の設定をできるのですが、ひとつイベント時に指定しておきたいのが「Company Profile」内の「Custom exit page URL」の欄。
Google フォームなどでイベントアンケートを作っておき、そのURLをこのURLの欄に貼り付けておくと、イベント参加者を自動的にアンケートページへ誘導できます。
イベントごとに異なるフォームを設置するのは出来なさそうなので、イベント最初の設問に、参加イベントを選択できるものを用意しておけばよさそうです。
Remoでイベントを開催する
Remoでは、イベント参加のためのパスワードはなく、招待者のみが入れる「Private Event」のモードはあります。
Zoomが流行した際に、ZoomのミーティングURLを公開してしまったことから迷惑な動画を流す参加者が出て来た問題が発生しましたが(現在は承認制を勧めるなど対応が進んでいます)、RemoではPrivate Eventがその代替案になりそう。
お誘いを受けたユーザーにはメールが届きます。中央のボタンを押せばRemoの画面に行きますので、ユーザー登録をすませてログイン可能です。
おイタをしたユーザーは管理画面からブロックすることで、即座にイベントから追い出せます。
決算システムはない
もっともRemoは単体で活用することはちょっと考えにくいと思っています。詳細な参加者管理の仕組みが備わっていないため、PeatixやCompassといったイベント開催プラットフォームで参加者を集い、そのプラットフォームで参加者のメールアドレスを把握してイベントのお誘いメッセージを送信。そうした制御が現実的にはよさそうです。
有料課金型のイベントでも、Remoには決済システムがありません。複数のシステムをうまく組み合わせる柔軟性が必要ですね。
Remoイベント中の動き
前述した通り、Remoでは
- ステージ上に立った人(ここは招待制)が全参加者に向けてプレゼンできる
- 同じテーブル同士の人の動画・音声・テキストチャット
ができます。
テーブルの移動は、画面内のテーブルをダブルクリックすることで行えます。
テーブル内のコミュニケーションでは他に
- 画面のシェア(プレゼンソフトの画面などシェアできる)
- ホワイトボードのシェア(みんなで1つのボードに書き込める)
ができます。
チャットは
- 全体
- 同じテーブル
- 個人
の3レベルで行えます。画像も貼り付けできました。僕が試したときは文字を選択してコピーするような操作はできませんでした。
全体としてはアナウンスやタイマー設定ができるため「イベントは何分に終わります」「あと○分で席替えしてください!」といった案内がしやすいです。
使えば使うほどバーチャルコワーキングスペースだった
使ってみると、これは間違いなくコワーキングスペースでした。座席の概念があって、近くに人がいるけれど話しかけずにモクモクと作業が出来る。これは人と離れてしまいがちなテレワークの時代にマッチしたシステムではないかと思っています。
コワーキングスペース的に実際に使ってみた感想については
オンラインイベントツール「Remo(レモ)」でバーチャルコワーキングスペースは可能か?テストと感想
こちらで記してあります。よかったらご覧下さいね。
これ、活用してみたいなあ。