好きなキャプテンは五十嵐です。プレイボールで好きなキャラは倉橋です。
最強のライバルキャラは力石徹です。
好きなスタンド使いはホル・ホースです。
あだち充作品で一番好きなサブキャラは木根(H2)です。
鬼滅の刃イチバンの名台詞は「俺は嫌われてない」です。
そんな僕が2020年に読んだマンガの中で好きなものを5作ご紹介いたします。2020年に連載があったものを対象としています。
~ 目次 ~
第5位 まどろみバーメイド
早川パオ氏作。
元高級ホテルのバーで働いていた凄腕のバーメイド(女性のバーテンダー)・月川雪が屋台バーを営みながら成長していく物語。
カクテルの勉強になるのはもちろんのこと、このマンガを読んでいると実際にバーに行きたくなってしまう。お酒とアテの表現が素晴らしいです。
個人的な推しポイントとしては
- カクテル周りの知識が色々と身につく
- 実際にお店に行きたくなるような言葉と絵の表現力
- 登場人物がキレイ
です
※ドラマ化されているみたいですね。まだ見ていないですけれど。
これを読んでからしばらくの間、バーに行ってオールドファッションドばっかり注文していました。作中で美味しそうに描かれていたんですよね。
第4位 虚構推理
ミステリー作家・城平京氏原作・片瀬茶柴氏画の怪異系ミステリー。怪異の知恵の神となったヒロイン・岩永琴子が恋人・桜川九郎と人間世界の・怪異の世界の様々な問題を解決していく。
ミステリー作家の原作作品とあって物語のどんでん返し振りや意外性のある展開は最後まで飽きさせません。おそらく美味しんぼなみにセリフが多いです。
同作は2020年1月にアニメ化されており、2020年11月に第二期の制作が発表されました。ヒロイン・岩永琴子の声を演じるのは、鬼滅の刃で禰豆子を演じている鬼頭明里さんです。たくさん喋ります。
推しポイントは
- ミステリー関連賞を受賞した良好な原作
- 説得力に重きをおいたストーリーの人間味
- 重厚な鋼人七瀬編の後はテンポ良いストーリーが続き飽きがこない
ですね。説得力という観点は面白く、0か1の解決を目指していないところが奥行きを感じさせます。
第3位 日に流れて橋に行く
明治時代末期の、落ちぶれた呉服屋の再興・女性の社会進出を描いた日高ショーコ氏の作品。氏と書いたがユニットらしい。
キャラクターの立ち方が素晴らしく、明治時代後期を力強く生き抜く呉服屋の当代・虎三郎と、金銭やビジネス面でサポートする鷹頭、新しい時代の呉服店員のモデルになろうとしている時子の3人がこれまでの商慣習を覆していきます。
セリフを読み考え方を咀嚼していくことで、読む側もキャラクターの意図から学ぶものが色々とあるのではないかと。
人たらしの虎三郎と型にはまらず自分の理想を言葉にする時子は魅力たっぷりのキャラクターですねえ。
推しポイントは
- 明治終わりの東京が舞台という時代設定
- 呉服屋(現代のデパート)を舞台とした事業変革・女性進出を上手に描いている
- 個々の思惑が絡み合いそうな「フリ」があり今後が楽しみ
ってところです。Kindleだとところどころにカラーの扉絵があるんですけれど、これが本当にキレイなの。
第2位 さよなら私のクラマー
名作「四月は君の嘘」の新川直司氏による女子サッカー作品で2020年12月に最終回を迎えた。出世作「さよならフットボール」の主人公・恩田希が高校に入学してから半年弱の成長を描く。
2位と1位は差がありません。
新川氏は「四月は君の嘘」でも演奏シーンに余計な音の表現を入れませんでしたが、今作でもスポーツ漫画にありがちな「実況やマニア客っぽい人たちが試合の中継をするかのようなわざとらしいセリフ」がありません。そのおかげで、試合のシーンでも言葉を読むのではなく、絵をきちんと見て判断するような読み方になります。
(C) Naoshi Arakawa 2020
上の画像は対戦相手高のエースが将来の夢を語ったシーン(12巻から)。撫子ブームが終わってしまった女子サッカー。観客で一杯のスタジアムで試合をしたいという夢を語る選手はスタンドに誰もいないところで試合をしているんです。歓声もなし。
夢見ているシーンとして大勢の観客の中でプレーしている絵にしてもいいのに、あえてこの最も静かな表現をしているこういう感覚が大好きです。
本作はスポーツ好きな人であれば「あれ、このタイミングで終わるのって打ち切りのパターンじゃない?」と思わせるところで終わってしまうのですが、あるメディアで新川氏が語ったところによると、予定通りの終了だそうです。
確かに、高校スポーツ漫画って県代表クラスになるとどれもストーリーは似たりよったりになりがちなんですよね。全国大会に出て、主人公が活躍して代表チームに選ばれて、海外勢と戦って、みたいなやつ。
そこをあえて描かないで終わるというのは、お腹が6・7分目なのにご飯が終わっちゃったような感じがしないでもないのですが、ソレが作者の考える美しさであるのならば受け入れるしかありません。
推しポイントは
- 余分な言葉を省いて読者の感受性を問う大人向けの表現
- といいつつ、使われる言葉が美しく引き込まれる
- 個々の成長を「成長したな」という言葉でなく表現で見ることができる
ですかねえ。いやもう全部いいんですけれど、とりあえず四月は君の嘘が好きだった人は、あの著者の作品だってことで目を通すといいです。
期待は裏切りません。
第1位 波よ聞いてくれ
札幌のスープカレー店員がひょんなことからラジオのプロヂューサーに見初められ、ラジオDJとして活動していく物語。無限の住人の沙村広明氏にしては珍しいエロもグロもない漫画。恋愛漫画らしいがあまり恋愛要素が出てこない。
主人公・鼓田ミナレの無軌道な性格と言動、登場人物の目標が何も描かれていないにも関わらず読者に何かを期待させてしまう運びが素晴らしいんです。女性版大泉洋の誕生物語、なのかもしれませんがわかりません。
また、独特の台詞回しや、随所に散りばめられた北海道ネタ・中国歴史ネタは漫画を「読みたく」なってしまいます。特に三国志好きの人だとわかる小ネタはほんと、くすっとします。
2020年4月にはアニメ化もされています。第一話がYouTubeで見られますが、鼓田ミナレを演じた杉山里穂さんの声が絶品すぎてたまりません。
素人が評論することじゃないですが、原作の良さをとてもいい感じにアニメ化してくれた作品だなあと思います。原作の良さを最大限生かしながらアニメらしさを出し、良い声優による良い声を、各々のキャラクターで活かしきっています。
画像は第一話のクライマックス。自分の声を無断で電波に乗せられたとラジオ局に抗議に行ったミナレが思いのたけをぶつけることになり、その最後に強烈な気持ちを叫んだシーンです。50万円を持ち逃げされた元カレに対する言葉なんですが、この殺気の描き方はさすが無限の住人の作者さんです。
なお、上の動画のクライマックスも、このイラスト部分となっています。アニメのこのあたりの表現、本当に素晴らしい。
とにかく、これを読んでからというもの、札幌に行きたくて仕方ないの!登場した場所・お店を体感したくて仕方ないんです。気になっているキーワードは
- 藻岩山
- 裏参道
- 松尾ジンギスカン
- こうひいはうす
- サッポロファクトリー
- セイコーマート
- 侍のプリン
- かすそば風土
- 創風庵
- 嘉心
とりあえずこのくらいを体験したいのです。
推しポイントは
- 北海道ネタ、文学ネタ、三国志ネタなど知っている人が読むとにやりとしていまうセリフ回し
- 無軌道ながらも何かストーリーがつながる不思議な進行
- こんなDJのラジオなら聴いてみたいと思わせる主人公
です。マンガ・アニメ通じて2020年個人的ベストです。
楽しいだけじゃない、読む喜びのあるマンガが結構ある
好きなマンガ。飲食店の好みと同じで、僕は幅広く見るというよりも、好きなものは何度も繰り返すタイプです。飲食店なら足しげく通うし、映像なら繰り返し視聴します。マンガなら何回も何回も読んで、ああこれはこういう意味だったのか!というのを知りたくなります。その回数が多ければ多いほど好きなマンガ、という感じですね。
今回挙げた5タイトルはみんなそんな作品。繰り返し読んでも飽きないし、次のページに何が出てくるか覚えていても楽しみにページ送りをしてしまいます。
飽きの来ない作品ばかりだと思うので、ぜひ読んでみて頂きたいです。好きな作品があったら、語り合いましょう!