高橋一生さんの主演がピタッとハマっている、NHKが2020年から年末に放送しているドラマ「岸辺露伴は動かない」。漫画「ジョジョの奇妙な冒険」(荒木飛呂彦)から飛び出したキャラクターで、その人気から、岸辺露伴を主人公にした様々なスピンオフ作品が生まれています。
NHKのドラマでは、ジョジョの奇妙な冒険のアニメ版ではシリーズ構成を担当する小林靖子氏が、本編やスピンオフのエピソードを元に脚本を書いています。2022年はジョジョ本編から1作品と、特別編集のムック本「JOJO magazine 2022」から1作品がドラマ化されます。ムック本からの1作品、僕は物語を知らなかったので、Kindle版を購入して読みました。70ページくらいあったかな、難しいけれど面白い話でしたよ。
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「ホットサマー・マーサ」と「ジャンケン小僧」
岸辺露伴は動かない - NHKによれば、2022年12月26日22時からは「ホットサマー・マーサ」、27日22時からは「ジャンケン小僧」が放送されます。それぞれの原作は以下です。
ホットサマー・マーサは「JOJO magazine 2022」の特別読み切りで描かれた作品。岸辺露伴を演じる高橋一生さん、レギュラーの編集者・泉京香を演じる飯豊まりえさんに加え、1話ゲストとして古川琴音さんが出演します。古木の幹の中にある拝殿に置かれた鏡を覗いた露伴に起こる奇妙な出来事は、ホラー・怪異を交えたスリリングな展開を見せます。
ジャンケン小僧はジョジョの奇妙な冒険第4部の本編エピソードなので読んだことのある人が多いでしょう。連続殺人鬼・吉良吉影を追う露伴のもとに現れたひとりの少年がジャンケンを挑んで来る物語です。ただジャンケンの5回勝負(先に3勝したほうの勝ち)をしているだけなのに、異常なほどの精神力や決断力が試される勝負となっています。
スタンドの物語ではないNHK版
原作のジョジョの奇妙な冒険は、第3部以降はスタンドという生命エネルギーを使った異能バトル漫画となっています。が、NHKのドラマではスタンドは特殊能力を使った怪異物という雰囲気で描かれています。確かに、スピンオフ版のコミックス「岸辺露伴は動かない」1・2巻ではスタンドバトルではなく、露伴の怪異体験を描いた、ホラー作品に近いものになっていました。
このときの雰囲気がそのままドラマ化しているため、ドラマの題材としてジョジョ本編から物語を採用した昨年の「背中の正面」でも、スタンドバトル感をうまく緩和させていました。
その傾向からすると、怪異の物語である「ホットサマー・マーサ」は原作に忠実に、「ジャンケン小僧」はジョジョシリーズを熟知する小林さんによる素晴らしいアレンジがなされているのだと期待が高まります。小林氏が原作の難しいところをドラマ的に分りやすく表現してくれているのも素晴らしいところで、今年も期待が高まります。
シリーズ全体を通して出演しているのが、編集者・泉京香。原作「岸辺露伴は動かない」で荒木飛呂彦さんが「この女性に対し、ムカつきながら描きました。でもキャラとしては大好きで傑作の出来と自負します。」とコメントするほどのキャラを、飯豊まりえさんが好演しています。本作をドラマで初めて観る方は、高橋一生さんだけでなく、飯豊まりえさんの演技にも注目です。
楽しみな年末、過去作の視聴は配信を
原作ファン・ドラマの過去作で心奪われた方も楽しみな今年の岸辺露伴。もし過去のドラマを再び観たいのであれば、各種配信から確認できます。
第一話「富豪村」のAmazon prime videoリンクを張っておきますが、NHKオンデマンドの契約がないと観られません。「ジャンケン小僧」のアニメ版はこちらの第26話で視聴できますが、記事執筆時点では高画質レンタルで250円です。
まあでも、原作の雰囲気を最大限に理解している方がドラマ版の脚本を書いているので、予習して違いを楽しむ観方が楽しくないはずはありません。それも込みで、年末の放送を楽しみにしてみてくださいな。
↓ホットサマー・マーサの原作掲載
↓ジャンケン小僧の原作掲載