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iPhone5難民の憂鬱7

2012/10/06

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前回までの憂鬱

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iPhone5難民の憂鬱3
iPhone5難民の憂鬱2
iPhone5難民の憂鬱

iPhone5難民として丸1週間が経った。思えば前週の土曜日、入荷したiPhone5の引き渡しが数名前で終わってしまったことが流浪の生活の始まり。アップルストア渋谷店に振られ、銀座店に振られ、各ソフトバンクショップでは

「入ったとしても一か月後ですよ」
「他店との同時予約は不可能です」

とにべもない返事をもらい続ける。

天は、この俺にここまで試練を与え続けるのか。

そして今日は8日目。朝はすがすがしく、しかししらじらしい。


その日の光景は少し違った。

いつもないはずの行列ができている。そして・・・。

いつもあるはずの「品切れです」看板が存在せぬ!

いつもはこんなんなのに!

血液は逆流、髪の毛は逆立ち、両手を上に突き上げ咆哮する俺。まさかこれは入荷のサインなのか?そうなのか?違うのか?

並びは14人目だ。こんな位置に立つなど、先週の土曜日以来のこと。思えば今週、

を見て立ち去った先達がたくさんいたのだろう。それを知らず毎日先頭だの二番目だのと無邪気に喜んでいた俺は、何というオコチャマだったのか。

看板のない異変は、明らかに「異変」ではなかった。

アップルストアの店員が路上に出てくる。

「本日、ソフトバンク、AUともに全モデルの在庫がございます!しばらくお待ちください!」

ざわ・・・。涙ぐむ俺。

しかし14番目だ。先週の事例からしたら13台しか入荷されずに俺の手前で終わる可能性だってある。

しかし、先週と今週では状況が違う。先週はNHKの朝の連続ドラマ「梅ちゃん先生」の最終回を見てから来たが、今週は朝の連ドラなぞ目もくれずにやってきたのだ。購入に対するモチベーションが異なりすぎる。

俺の祈りは通じるにきまっているのだ。

「恐れ入ります。ソフトバンクの方は左に、AUの方は右にお並びください」

!!

そんな指示を出すということは、俺まで回ってくるんじゃないのか。買えない奴まで並べせまいて。

希望機種を聞いて回るスタッフ。手に持つ予約票がやけに分厚いんですけど!これはいけるっしょ!!これ、SBもAUも相当量入ってるはずだぜ。
アップルさんさ、やればできるじゃない。本当は昨日すでにあったけど、隠してたんでしょ?そうなんでしょ?でも土曜日にどーん!やるじゃない。


時は経ち。

うやうやしく店内に通される俺。ほかの客もうやうやしく通されているわけだが。

店員の手続きは軽快だ。認証システムはやたら重かったが。

楽しく談笑しながら手続きを済ませることができました。

なにこれがiPhone5?縦長なんですけど。薄いんですけど。軽いんですけど。

生きる地獄に落ちたカイジを勇気づける(と思われていた)班長のセリフを引用させていただきます。福本信行先生の「カイジ」地獄チンチロ編より。

今日をがんばり始めた者のみ、明日が来るんだよ。
はい班長。その通りです。


みんな!

入手したよ!!

並び始めて8日。ついにきゃつをその手にしたよ!!

なぜそこまで並び続けることができたのか。
職場の人にそしられ、小馬鹿にされ、Twitter民には「このまま買えないほうが面白い」「予約をキャンセルして帰ってこい」と言われても、なぜ俺は並び続けることができたのか。

それは、人としての意地としか言いようがありません。俺はついに手に入れたよ!

そろそろこの連載ともお別れだ。みんな読んでくれて本当にありがとう。

わが生涯に一片の悔いなし!

もう少し生きるけどね。

Fin.

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