拝啓@odaijiです。
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このエントリーの流し読みっ!
柔道界にも「人物」がいた 組織の上層部は正しい判断を 2020年のオリンピックレースの躓きにならないように
▼以前、こんなエントリーをしました。
柔道の代表監督、続投で大丈夫なの?と不安が山盛り・籠盛りなのである
女子柔道の代表チーム内で指導者による暴力問題があり、これを告発したものの当初は自浄力が働かず、対応がどんどん大きな問題になってしまったというものです。代表監督は当初「謝罪」をしましたが、結局進退伺を出す方向に進みました。
近頃、体罰問題がクローズアップされる中で、国内トップレベルの日本代表チーム内でもこのような事実がある、ということで取り上げられたものですが、世間の体罰がワイドショーなどで取り上げられる中、女子柔道代表チームの問題は案外小さな扱いだなあと思っていたものです。
そこに出てきた毎日新聞の記事がこちらでした。
告発の真相:女子柔道暴力問題 山口香・JOC理事に聞く/上 特定の選手、見せしめ- 毎日jp(毎日新聞)
いろいろ衝撃的な「新しい事実」があったように思います。
告発は、選手ではなく、山口香JOC理事が行ってた
暴力の標的として、声を上げるのが苦手な一人の選手がいたということ。
全柔連の対応は、園田監督の続投を明確な理由なきまま決めようとしていたということ。
山口理事の告発だけでは全柔連は動こうとしなかったこと
不幸なことではありますが、ここまではよくあるいじめの構図と旧態依然とした組織のよくある対応です。
もともと全柔連の中では、軽い問題であること
要は、世界に伍していくのに殴られるのくらいは当たり前だという認識であり、この程度のことで何を言ってるの?という認識であったろうと思われていることです。
これらの良くない出来事が重なったため、広く伝えざるを得なくなったのでしょう。
山口理事は自らが矢面に立つ姿勢を示し、告発に名を連ねた15人の選手をかばうつもりを持たれています。なんという男気。
今回、残念な人しか見てこなかった柔道関係者ですが、
ここに一人、良心を持つ人を発見しました。
これは救いです。
組織の上部に理解がないのは、上部の罪だ
全柔連で言えば選手、学校で言えば学生・生徒・児童(場合によっては現場教師)、会社で言えばスタッフ。
これらの弱い存在をどう守り、育て、強い存在にしていくかは、それぞれの幹部・上層部の仕事です。
勝手に育つもの、自ら考えないから育たない、と言い切るのは自分が工夫したからと思っている思い上がりか、人の恩を忘れてしまったのか。
当人の学ぶ気持ちと上層部の上手なサポートがあって、初めて人は成長します。
それができず、暴力・暴行・嫌がらせをする監督・コーチと、それを黙認する幹部。これは監督コーチだけでなく幹部の罪でもあるでしょう。
幹部は中間管理職である監督・コーチを盲目的に信じ、現場の声を無視しました。その結果が、世間に知られ、たたかれ、醜く謝罪しているあの姿になっています。
上層部には上層部の仕事があります。だから現場のことを事細かに詳細に知ることはできませんし、その必要もないでしょう。
でも、上がってきた事象について平らな目で見、冷静に判断することができるようでなければならないですね。自らが起用した中間管理職を信じることは自らの尊厳を守ることになるかもしれませんが、おかしいと思ったら正しく見直すことができる器量が大切ではないでしょうか。
2020年の五輪東京招致に向けて、ピンチをチャンスにできるか
この問題が2020年の五輪東京招致に向けての逆風だとする向きも多いです。今のままだと確かにそうでしょう。
ただし、ここで自浄能力を発揮し、体罰やセクハラ・パワハラなどおかしな指導がない様に変えていくことをうまくアピールできれば、この逆風をまだまだ利することもできるはずです。
個人的には2020年に東京でオリンピックをやってもやらなくても構わないのですが、こんな指導体制が元でオリンピックの選抜に落選することだけは避けてほしい。堂々と戦える環境が整っているなかで、各国と戦ってほしいものです。
変な隠ぺいや工作に走らず、まっすぐ問題に立ち向かって、クリーンな態度で次のオリンピックをつかみ取る努力をしてもらいたいです。
そうなれば、自然と、2012年のロンドンで金一個に終わった女子柔道も復権を果たしていることでしょう。
がんばれニッポン!