拝啓@odaijiです。
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このエントリーの流し読みっ!
マイナー漫画家の「漫画道」だ 業界の「底辺」付近にいること ネットで発信することから成功を掴める時代
アップストアのブックカテゴリーをつらつら眺めていたら、無料で全巻読めるという漫画が上位に出ていましたので、ダウンロードしてみました。
これが、思いのほか面白かったのでご報告。全5巻分ですので、ダウンロードしたものも2~3時間で読み切ることが出来ました。
【マンガ全巻無料】ハナムラさんじゅっさい 1.0.1(無料)
カテゴリ: ブック, エンターテインメント
販売元: Amazia, Inc. - Amazia,Inc(サイズ: 8.6 MB)
全てのバージョンの評価: (50件の評価)
です。
セクシーなお姉さんがタイトルなどには出てきますが、アダルトな漫画ではございません。
▲こちらはコミックス版第一巻。全巻分の紹介はページ最後に。
売れない漫画家さんの「漫画道」
間もなく30歳を迎えようとしている漫画家さんの苦労話が描かれているお話です。
24歳のころ新人賞に入選して読み切りを発表できたときから伸び悩み、後輩に連載を抜かれ、結婚を意識していた彼女に振られるどん底の状態からどのように食いつないでいくか・・・。僕は業界のことはわかっていませんが、リアルっぽく描かれています。
主人公は食いつなぐために18禁の携帯コミックを描いていくことになるのですが、その編集の女性の白井さんが美人で巨乳で、会うたびにドキドキして、ちょっとした恋心を抱いて、それで仕事も振り回されたりして・・・。定番のラブコメ系な流れもきっちりと描かれています。
多分シチュエーションとしてはまあまああるものだと思うのですが、僕はほとんどノンフィクションとして読んでいました。
だから、ストーリーについてはまあまあ素直に受け取って読んでいました。
鉛筆画のタッチが良い
いわゆるスクリーントーンというものがほとんど使われておらず、漫画中のセリフもほとんどフォントを使っておらず手書きです。
そして、タッチのほとんどが鉛筆で描いたかのような(多分そうなんだと思う)タッチです。これはとっても柔らかい感じがして素敵でした。自分はあんまりこの手のタッチの漫画を読んだことがなく、なかなかどうしていい味わい。
わかんないけれど、同人誌系って、こういう鉛筆タッチが多いのですかね?僕は少年○○みたいな漫画雑誌、福本伸行漫画、ビッグコミックなどの青年誌などしか読んだことがないので、その他の業界はわかっていません。
こういうのを売りにしてどんどん作品を出してほしいな
と、作者さんには期待しております。
業界の「底辺」付近にいるということ
たとえば売れない芸人さんが前座や前説の仕事をする
たとえば強くないボクサーが4回戦・第一試合に出てくる
たとえば序の口のおすもうさんが午前中に流れ作業のように相撲を取る
こういう、業界の底辺の方が切磋琢磨して生き残り、はいずり上がり、業界のトップを目指そうとしています。そういう成功譚は世の中まあまああります。
世間にあふれている「ビジネス書」なんて全部そうですよね。
それを悪く言うつもりはないけれど、人の成功譚(しかも本当にそのやり方で成功したかわからない)の洪水でオーバーフローしていませんか?
そして、自分が咀嚼しきれずに、読んで「ああよかった」「明日からできそうな気がする」で終わっていませんか?
そういう繰り返しをしているのであれば、このように業界の底辺の方がどのようにもがき苦しんでいるのかを知り、そこからハングリー精神を養う方が、とっても役に立つような気がします。
すいません、この作者さんを漫画内の時間軸において底辺付近にいることと認識しています。作者さんごめんなさい。でも、少なくともこの漫画に出ていたときの作者さんは、もがき苦しんでますよね?
人の成功を見て自分の糧にする方向から上をめざすのと、
同じ立ち位置で苦労している人を見て自分の糧にするのと。
そっちの視点から描かれたものは、とても新鮮に読めました。
ネットの画像投稿サイト「pixiv」からコミックス化され、iOSアプリ化された
僕はブログを通じてライターの仕事をもらったことがあります。
この作者さんはネットで画像などを投稿するサイト「pixiv」で投稿していたものが編集者の目に留まり、WEBの連載からコミックスの連載に結び付いたものらしいです。
▼pixivはこちら。
イラストコミュニケーションサービス[pixiv(ピクシブ)]
僕はサラリーマンですが、文章書きとしては、この漫画家さんよりもさらに下の立場にいます。当然です。それ一本で生活できていませんから。
画を描く技量のある方が、pixivという画像発表サイトを通じて単行本を発行し、iOSのアプリにもなりました。そのことも漫画の中に出てきます。
これは自分のようにブログを書いている人が憧れているストーリーの一種です。サラリーマン業の合間の文章書きですが、その文章をどこに発表し、誰の目につき、仕事に結び付けていけるのか。その一例を提示してくれたものと、僕は受け取りました。
個の発信をしたい
個の発信。組織にいては埋もれてしまう個の知識を世間に出すためのメディアが今の世の中にはあります。
ブログもそうだし、pixivもそう。場合によってはtwitter一本で世渡りできる方もいるのかもしれません。
その扉を開けてみたいなあと思ったのが、なぜかこの漫画を読み終えたときの感想でした。
・・・いや、描かれるお姉さんも嫌いじゃないんですけれど。
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