要は、黒田官兵衛って人は小さな会社の重役だったのが、うまく大会社の重役に栄進したってことなんですけれど。
この第4話で、その下地見たいなものが少しずつ見え始めたなあって感じですね。
~ 目次 ~
第4話、官兵衛的には家庭の事情
前回で幼馴染でもあり、ほのかな恋心を寄せていた「お辰」を赤松家との戦争で失ってしまった官兵衛は、引き続きショックを引きずっています。
そんな中で始まった第4話、お辰のお墓参りをする官兵衛が若干立ち直りを見せます。
氾濫で困る川の堤防の工事を村人と一緒に精を出す官兵衛。表情も明るいものが見え始めています。
足利将軍
いわゆる戦国時代、室町幕府(足利将軍)の末期です。13代将軍が戦国武将に殺され、14代将軍は居たんだか居ないんだかわからない感じ、で15代将軍が室町幕府最後の将軍です。
永禄10年(1567年)の話。織田信長が49歳で死ぬ本能寺の変が1582年なので、その15年前の話ですね。
15代将軍(候補)は越前・朝倉家の元にかくまわれていました。
朝倉家は古くからあるものの野心の少ない家で、積極的に将軍を担いで上洛する(京都に進む)つもりがあんまりないのですな。
将軍家は兄の13代将軍の恨みを晴らすべく、仇の三好・松永家を破ってくれる家を探していました。朝倉を頼りにしようと思ったら暖簾に腕押しだったので、やむを得ないと日本中の武家に依頼の書状をばらまいていました。
その書状が小寺家にも来て評定で話題になるが、その評定中、黒田家にも書状が来ていたことを官兵衛のお父さんがご報告。
「将軍家が私に手紙をくれた」「将軍家でも小寺家の名前が鳴り響いてる」
と喜んでいる小寺のバカ殿でしたが黒田の報告を聞いてしまっては面白くありません。
小寺・黒田の確執の種になるかしら?といったところ。
上洛するかどうかについては殿さま、得意の「思案のしどころ」発動です。
さて・・・。
小寺の殿さまにも嫡男が誕生しています。その子供が小さく、官兵衛が元服して立派な行動をしていることもあり、黒田に家を乗っ取られないかと不安を感じ始めました。被害妄想的なそれです。
小寺の奥さんから殿の不安についてのお話を聞く官兵衛さん。厄介ごとは減りません。
運命の出会い
黒田官兵衛はこの時代の大大名には珍しく、側室を持たず、生涯一人の奥さんを愛し続けました。
その出会いが、このドラマでは以下のように描かれました。史実がどうかとか、多分ないことだと思います。
・・・
狩場へ黒田親子と行こう!と誘う小寺の殿。
狩場の調査の途中で、山桃の木に上った子供の救助を巡って官兵衛が女性と出会います。これが前振り。
さて、狩の本番。
鳥をなかなかうまく射ることのできない小寺の殿に比べ、うまく射てしまった官兵衛のお父さん。
「官兵衛はいつ家督を継いでも心配ない子供に育った。
それに比べ自分の子供はまだ小さく、小寺の家を狙うものが出たらと心配」
と嫌味ったらしい小寺のバカ殿様。空気が灰色な感じです。
夜、飲み会の場に給仕で出てきた小寺家の重臣・櫛橋家の姉妹二人。
このうちの次女が先に山桃の木で出会った「光(てる)」さんでした。
その席。小寺の殿が櫛橋の長女と結婚したらどうかと勧めるが、
そもそも官兵衛と反目している櫛橋の長男や、長男の言い含めしか聞いていない長女の評判は悪いようでして。
出会った次女は「わりかし良い人なのに」と好印象なんですけれどね。
家督相続
対して黒田家。
小寺の殿に快く思われていない官兵衛のお父さん。
追放されたり逆賊扱いをされるリスクを省くべく、家督相続を決意します。
これ、将来の官兵衛も同じ道を歩むんですよねえ。
豊臣秀吉に猜疑心を抱かれたと感じた官兵衛は、息子の長政に家督を譲って隠居してしまします。
なるほど、そのシーンに序盤から意味づけをしているんですね。これは覚えておくといいシーンです。
美濃攻略
そのころ、美濃では。
木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉・竹中直人)が吉報を信長に伝えます。
長年攻略できなかった美濃の稲葉山城(斉藤家)。その斉藤家の重臣に接触していのが藤吉郎さんでした。
西美濃3人衆の調略に成功した藤吉郎の報告に、信長大喜びですわ。
西美濃3人衆とは
稲葉良通
安藤守就
氏家直元
の3人を言います。
稲葉良通は稲葉一鉄とも言われています。この人が大変頑固だったらしく。
頑固一徹
は、稲葉一鉄が頑固だったことから生まれた言葉だといわれているんですよ。頑固な稲葉一鉄→頑固一徹って感じです。
で、ついに美濃・斉藤家は陥落しました。今更ですが美濃っていうのは今の岐阜県ですね。
尾張(名古屋)から北に進んで、岐阜に居を移したのが、この時点の信長です。
土地の名前もこの時信長が岐阜と改め、「天下布武」のキャッチフレーズを掲げました。
駆け巡る「天下布武」
天下布武の法を庵で聞いた、隠遁中の竹中半兵衛。
同じ報を播磨の黒田官兵衛・小寺のバカ殿も聞きました。
楽市(商人の税金を軽減する)を決めたことも官兵衛の元に伝わり、御着城(小寺の城)でもやったらどう?と進言・・・しようとした官兵衛の父。自分の子供の事に話題をすりかえるバカ殿さま。
うーん未来を感じませんな。と苦虫をかみつぶしたような官兵衛の父。
私が結婚するわ!
櫛橋家。櫛橋のお姉ちゃん、どうしても官兵衛と結婚したくなくないみたい。寸劇が入ります。
ちょっとファミリードラマですね。BGMもほのぼのし始めました。
なら、私が結婚するわ!
と言ったのは次女の光さん。
で、一気に結婚に向けて話が転がり進んでまいりました。
櫛橋のお父さん、殿さまのご機嫌を損ねないで済んで一安心でした。
結婚する光さん、中谷美紀さんがやってるんだけれど、なんか電車男を思い出すのよね。どうでもいいけれど。
結婚式も目出度く執り行われる黒田家。こちらは最中に襲われることもなくって一安心です。
新婚初夜、官兵衛が新妻の照に話したことは、幼いときからのお辰の思い出でした。ほかのオナゴの話をするなんて信じられない!
という光ですが、「この先我らの間で隠し事はやめよう」という官兵衛△。
そして、お辰のお墓にも夫婦でお参り。義理堅い男の演出がしっかり進んでいます。
将軍擁立
そして、
15代将軍となった足利義昭(吹越満)は織田信長の庇護を受けて岐阜に。
初めて対面する信長と義昭。
のっけから信長の決め台詞がさく裂します。
「岐阜には御所は作らないよ。だってすぐ京都にお迎えできるようにするもん」
将軍様が住まうところを「御所」と言うんですね。京都の「二条御所」なんてわかりやすいかな。
で、岐阜に落ちてきた将軍様に対して、信長が下座から上のように言ったわけです。
信長△。政略的な意味合いはプンプンですが、当時の将軍様がくらくらっと来ちゃいますな。
そして、将軍を擁して上洛するところで、第4話は終了。
官兵衛の家庭の事情・中央に進出しはじめる織田家
家督を継ぐことも結婚することも家庭の事情です。今回はファミリー劇場でした。
軍師官兵衛の大きなテーマ。これまで、ともすれば策略家と思われかねない黒田官兵衛が一人の妻を愛し、人殺しを嫌うというところにスポットを当てているとおもうのです。
そのうちの一つ、一人の妻を生涯愛するところが、いよいよ始まります。結構大河ドラマの戦国時代ものって、ファミリードラマの姿を見せるものです。岡田准一君と中谷美紀さんの掛け合いがこれからどのように見られるかが楽しみですね。
そして、尾張一国しか持っていなかった織田信長が、いよいよ岐阜を手に入れ、京都進出が見えてきました。ここから京都進出するまでは比較的短期間です。官兵衛が信長・秀吉に使仕えるのはもうすこしあとなのですが。
ドラマの中でどのように官兵衛と信長・秀吉が出会い、絡んでいくか。今は予告編を見ているようなところです。
官兵衛の父・黒田職隆が官兵衛に家督を譲る周辺事情、これは良く覚えておいた方がいいと思います。ドラマの将来の事はわかりませんが、似たような理由で官兵衛が子供の長政に家督をゆずるからです。きっと回想シーンがでてくるんじゃないかな、ここ。
これからの展開を楽しむ下地が整えられた第4話。今回自体はファミリードラマもあってちょっと息抜き感がありましたが、後になって見返したくなる回になるかもしれません。