2014年9月下旬のiPhone 6、iPhone 6 Plusの発売では、NTTドコモやau、ソフトバンク(以下、3社のことを大手3キャリアといいます)からの発売と同時に、アップル社からもiPhoneが発売されていました。俗に「SIMフリー」「SIMロックフリー」と呼ばれるiPhoneです。昨年発売のiPhone 5sや5cでも発売されていましたが、今年は同時発売でしたね。
iPhoneに限らずSIMフリーの端末はあります。Androidのスマホにもありますし、データ通信メインのタブレットにもあります。
そのSIMフリーに相性が良いのが「格安SIM」と呼ばれる、安い料金プランで通話・通信の契約です。
大手3キャリアは料金プランを高額・画一の方向にもっていき、通常のスマホで契約すると、月額6000円~10000円を超えるようなプランになりかねない場合があります。そして、音声通話に関しては一律2,700円でかけ放題、という料金プランで足を並べています。
もちろんそれがフィットするユーザーもいるのですが、
「そんなに使わないんだからもっと月額を安く抑えたい」
「個人の連絡はLINEやTwitter、Facebookで行うのだから音声通話をほとんどしないのに2,700円も払うのは割に合わない」
という方もいらっしゃると思うのですね。そのような方に向いていると思われるのが「格安SIM」なのです。
様々な情報サイトやトレンディ系の雑誌で格安SIMが話題になってはいるのですが、
価格比較があってもそもそも何が必要なのかが分からないよ!
という方もいらっしゃると思います。説明が結構「わかってる人向け」になっていることが多いんですよね。
以下、比較する以前に知っておきたい大切な用語と、選択基準を説明します。これを理解してから格安SIMの契約に着手すると良いのではないでしょうか。
~ 目次 ~
音声通話プランとIP電話
格安SIMの料金プランを眺めていると、通話に関するプランで2種類存在することが分かります。
音声通話プランとIP電話プランです。
だから何なのか、メリットやデメリットが何なのかを知らずに契約するといざというときに痛い目にあう場合があります。
それぞれの違い
音声通信プランを選択すると、これまで携帯電話やスマホで通話していたような
090
080
070
で始まる電話番号をもらうことができます。大概の場合はMNPといって、今使っている携帯番号をそのまま維持しつつ格安SIMに移行することも可能です。
まったくこれまでの電話と同じように使える番号と思ってください。
一方、IP電話は、コンピューターのデータ通信に音声を載せるタイプの電話です。
例えばツイッターで文章や画像を送信したりしますよね。そういう通信に「音声」を乗せ、うまいこと電話回線とデータ通信をくっつけて通話できるようにした仕組みです。
主に、
050
で始まる電話番号をもらうことができます。当然ふつうの携帯電話と番号が異なりますので、MNPをすることもできません。
IP電話のメリットとデメリット
IP電話を使うことにはメリットとデメリットがあります。主なものとしては
メリット
・通話料金が安くなる
・仮に携帯のアンテナが立っていない場所でもWi-Fiなどがつながっていれば通話ができる可能性もある
デメリット
・これまでの電話番号が使えない(知人に伝えなおす必要がある)
・119番、110番、一部の0120・0570・0990などの特殊な番号へ発信できない
僕はこのデメリットの2番目を重要視しています。いざというときに警察や消防に電話できないのは「いざというとき」だけに相当困ります。そして、その事態がいつ発生するか分かりません。
だから僕は、格安SIMを「一台目の端末」に入れるのであれば、IP電話ではなく音声通話プランを入れた方が良いのではないかと思っているのです。
音声通話プランとIP電話プランはともに「月額基本料金(毎月いくら)」+「通話料金(○秒あたりいくら)」の組み合わせで料金が決まります。ご自分の通話スタイルを考えてベターな選択をすると良いでしょう。
全体的な傾向としては、通話量の少ない方は月額基本料金の安いもの、通話量の多い方は通話料金の安いものを選択する方向性でいくとコストを抑えやすいです。
SMS
SMSは、090・080・070などの「音声通話」の仕組みで短めの文章を送ることができる仕組みです。大手3キャリアを含め、Y!モバイルやウィルコムなどのPHSも含め、電話番号を宛先として文章を送れる仕組みです。電話番号以外の連絡先を交換していない相手へメモ情報を送れるという点で便利ではあります。まあ、いまどきだとLINEなどを使う人の方が多いのでしょうけれどね。
これがどのような場面で重要視されているかというと、
・セキュリティ(アクセスが偽物でなく本人であるかの証明)のために暗証番号を通知する
です。
なぜそれに使われるか。
音声通話の番号って、一台の端末でしか使えませんよね?何かの番号に電話をかけたとき、原則的に一台の端末しか着信しないんです。
だから、ネットの向こう側のどこかで、誰かがなりすますことができません。その安全性が買われているのです。
具体的にはLINE電話を使う際の電話機の認証や、またGoogleやDropBoxといった、インターネット上で利用者のデータを取り扱うユーザーに対して安全なアクセスを提供する仕組み「2段階認証」です。
※システムによってはSMSでなく、音声電話で暗証番号を通知するものもあります。
また、SMS契約を入れない格安SIMを使った場合、スマホの機種によっては「セルスタンバイ問題」などと言われる、何もしないのにバッテリーの消費が激しくなってしまう現象が出てしまうものもあります。いまいち、どれが出る、出ないというのがはっきりしていない状況でもあり、これを予防するためにSMS機能をいれる、という選択肢もあります。
SMSは付加しても月額150円~200円以下くらいで契約できるものがほとんどです。音声通話が必要ない、データ通信専用通信の格安SIMでも、以上のような理由からSMS契約だけはしておく、という選択肢もあるのです。
SIMカードのサイズ
格安SIMのSIMは、カードです。デジカメの写真をSDカードに保存すると思うのですが、あのSDカードのように複数のサイズが存在します。
ですので、SIMカードのサイズが合っていなければ、そもそもカードがスマホにささりません。
例えば格安SIMの一つ、Serversman SIMでは、
動作確認済み端末|ServersMan SIM LTE:【dream.jp】
このように、端末ごとにどのサイズのSIMサイズが装着可能なのかを示してくれています。
格安SIMを装着したい端末をよく確認して、間違いの無いような契約をしたいですね。
需要があれば料金プランの解説とかします
格安SIMについては上級者向け、「この用語や使い分けは知ってて当然」といった感じの文章が多かった印象だったので、少し根本的なところの解説をしてみました。小難しい説明は省いたつもりです。
必要あれば、料金プランの考え方についても説明していきたいと思います。
併せて読んでね
▼格安SIMを導入したらできなくなることもあります。問題なければそれでいいですが、うっかり躓いちゃうと勿体ないことになってしまいますよ。
初心者向け:格安SIM+SIMフリースマホに切り替えたら「できなくなること」
▼格安SIMの料金プランを4つに大別して解説しています。料金の考え方を理解しよう!